東アフリカにある共和制国家のタンザニア共和国(通称タンザニア)のコーヒー、と聞いてもピンとこない方が多いかもしれません。しかし、誰もが知っている有名な銘柄「キリマンジャロ」はこのタンザニアのコーヒーなんです。

そんな世界的に有名なコーヒーを生産しているタンザニアのコーヒーについてもっと知りたいと思いませんか?

そこで今回は、タンザニアコーヒーの特徴と銘柄一覧をご紹介していきたいと思います。

タンザニアコーヒーの歴史

タンザニアのコーヒーの歴史は、18世紀にビクトリア湖の西にあるブコバ地区にブニョロ族がコンゴからコーヒー豆を持ち込んだことから始まりました。

その後、1890年代のドイツの植民地下で東アフリカの一部であった時代に、商業目的で栽培に力を入れ始めました。

栽培を始めた当初は、残念なことにタンザニアの気候は雨が多く栽培が困難であったこと、更にはコーヒー豆の栽培を低地に割り振ったこと等から失敗に終わってしまいました。しかし、その後も諦めることなく、試行錯誤を繰り返していきました。

その結果、少しずつコーヒー栽培も成功し始め、1900年代初めになると、キリマンジャロの南の麓だけでも30近いプランテーションが作られ、その後の1914年ごろには、100以上のプランテーションで200万本以上ものコーヒーノキが栽培されるまでに成長していきました。

この当時は、タンザニアのコーヒーが有名ブランドではなかったことと、ヨーロッパではロブスタ種のコーヒー豆が人気を集めていたことから、タンザニアのアラビカ種のコーヒー豆の価値は認められていませんでした。よって、驚くことに、イエメンに運ばれて「モカ」として出荷されていたのです。

しかしその後、キリマンジャロがブランド化され、タンザニアのコーヒーは、世界的に人気のあるコーヒーに成長しました。

現在日本は、タンザニアコーヒーの輸入量がドイツに次いで多い国でもあります。

タンザニア産コーヒー豆の特徴

タンザニア産のコーヒー豆の主な生産地は、タンザニアの北東部に位置するアフリカ最高峰のキリマンジャロ山の麓のアルーシャ地区とモシ地区、内陸部のゴロンゴロ地区、南部のベヤ地区、西部のキゴマ地区などです。

標高1,500~2,500mの高地で、肥沃な赤土で栽培されているので、品質が高いコーヒー豆が生産されています。日本と同じ軟水の国なので、日本人が好みやすい味でもあります。

そして、コーヒー豆の90%以上が小規模農園で栽培されているので、個性豊かなコーヒーを楽しめることでも人気があります。

タンザニアでは、アラビカ種を80%、ロブスタ種を20%の割合で栽培しています。

アラビカ種は水洗式と非水洗式、ロブスタ種は非水洗式で加工されています。有名なキリマンジャロは、タンザニア産のアラビカ種の水洗式で加工されたものです。

このように栽培されたタンザニアのコーヒー豆のほとんどは、国外へ輸出されていきます。タンザニアにとってコーヒー豆は、外貨を稼ぐための重要な農作物なのです。

タンザニアコーヒーの味・香り

タンザニアコーヒーは、柑橘系のフルーティーな甘みと、力強い酸味が特徴です。コクは控えめで、独特のアロマのような香りとスッキリとした飲み口が心地よいです。

これらのことから、ドリップ向きのコーヒーであると言えます。

タンザニアコーヒー豆の等級

タンザニアのコーヒー豆は、コーヒー豆の大きさ(スクリーンサイズ)と品質によって格付けされています。

コーヒー豆の大きさによっては、一般的に4段階に等級付けされており、高品質なものから、

  • AA(6.75mm以上)
  • A(6.25mm以上6.75mm未満)
  • B(6.15mm以上6.25mm未満)
  • C(5.90mm以上6.15mm未満)

このようになっています。

また、品質によっては9段階に等級付けされており、高品質なものから、

  • FINE
  • GOOD
  • FAIR GOOD
  • FAQ+
  • FAQ
  • FAQ-
  • POOR FAIR
  • POOR
  • VERY POOR

このようになっています。

タンザニア産コーヒー豆は、非常に複雑な各付け方法がされているのも特徴的です。

タンザニア産コーヒー豆の種類・銘柄

コーヒー豆の種類・銘柄 特徴
キリマンジャロ タンザニアを代表するコーヒーです。世界3大コーヒーとして知られる高品質のアラビカ種のコーヒーです。世界の中でも、日本人が特に好きなコーヒーとしても有名です。
キゴマ タンザニア北西部のキゴマ地区で生産されたコーヒーです。優しい苦味と甘み、深いコクが特徴です。
スノートップ アル社地方の高地で生産された最高級コーヒーです。甘酸っぱい風味と芳醇な香りが楽しめるコーヒーです。
アデラ タンザニアのトップグレードのコーヒーで、柑橘系の香りと、爽やかな酸味とコクのバランスが絶妙です。
ルブーマ
優しい酸味と豊富な甘み、まろやかな口当たりが特徴です。バニラやナッツのような上品な香りが広がります。
キボーカンジラルジ
きりっとした酸味と甘みが特徴です。ワインのようなコクも味わえます。さらに、果実のような香り、紅茶や草木のような芳醇な香りが感じられます。
キリマンジャロ
酸味と苦みのバランスがとれたコーヒーです。深くて甘いコクとフルーティーな香りがあります。また、雑味がなく飲みやすいのも特徴です。

タンザニアコーヒーのおすすめの淹れ方

タンザニアコーヒーの特徴を最大限に引き出すためには、ミディアムローストからハイロースト程度がおすすめです。また、挽き方は中挽きがおすすめで、調和のとれたコーヒーの味わいを楽しめます。

しかし、ビターな味がお好きな方は、細挽きにすることにより、更に深いコクを楽しむこともできます。

タンザニアコーヒー情報まとめ

タンザニアのコーヒーについてご紹介してきました。タンザニア産コーヒーの輸入量が日本は世界第2位であることに納得していただけたのではないでしょうか?

是非、アフリカらしい力強い酸味が特徴のタンザニアのコーヒーを楽しんでみてください。

タンザニア産コーヒー豆の記事一覧
キボーカンジラルジ【タンザニアコーヒー】
ルブーマ【タンザニアコーヒー】
アデラ【タンザニアコーヒー】
スノートップ【タンザニアコーヒー】
キゴマ【タンザニアコーヒー】
キリマンジャロ【タンザニアコーヒー】