

南米大陸にありブラジルやペルーに隣接しているボリビアは、共和制国家で正式名を「ボリビア多民族国」と言います。この通称「ボリビア」は、国土の30%以上をアンデス山脈が占めています
また、ボリビアの首都である「ラパス」は、標高が3500mもあり世界一高い首都と呼ばれ有名です。
そんなボリビアは、隣接しているコーヒー大国のブラジルと同様に、コーヒー栽培に適した土地が広がり、良質なコーヒー豆が生産されています。
今回は、そんなボリビア産のコーヒー豆の特徴と銘柄まで詳しくご紹介していきたいと思います。
ボリビアのコーヒーの歴史は、19世紀のスペイン植民地時代にスペイン人により始められました。
当初は、首都ラパスの近くで始まりましたが、標高が3000m以上の土地が多く、土壌も痩せていたために、コーヒー栽培はうまくいきませんでした。
その後、コーヒー栽培をする土地の標高を徐々に下げていき、標高1000~2000mの山の斜面などで栽培されるようになると、コーヒー豆の栽培は安定し、生産量は増加していきました。
ボリビアのコーヒー豆の主な生産地は「ラパス県」です。その中でも、首都ラパスよりも更に北にある「ユンガス地方」が最も有名で、ボリビアのコーヒー豆の約90%がこの地方で生産されています。この地域は、アンデス山脈の東側と熱帯雨林に囲まれ、標高が1000~2000mもある高地です。
また、ボリビアの第2の都市である「サンタクルス県」にある「ブエナビスタ地区」も高品質のコーヒー豆が生産されています。
しかし、これらの地域で生産されている高品質なコーヒー豆のほとんどが海外へ輸出されてしまうため、ボリビア国内には高品質なコーヒー豆はほとんど流通していません。
ボリビア産のコーヒー豆は、化学肥料を一切使わずに栽培されるオーガニックコーヒーです。手作業で丁寧に栽培されています。収穫時期になると、真っ赤に熟したコーヒーチェリーのみを手摘みで収穫していきます。その為、収穫量は少なく、希少価値もとても高いです。
栽培されているコーヒーノキは、ほとんどがアラビカ種で、水洗式(ウォッシュド)で精製されています。
ボリビア産のコーヒー豆は上品な酸味と苦みがあり、優しい甘みが長く残るのが特徴です。また、ナッツやチョコレートのような香りとフローラルのような華やかな香りが心地よく広がります。
ボリビア産のコーヒー豆は、特に等級付けされていません。しかし、ボリビア産のコーヒー豆はスペシャルティコーヒーとして流通するものもあり、非常に評価が高いです。
2004~2009年にかけて、スペシャルティコーヒーを決める「カップ・オブ・エクセレンス」が開催され、ボリビア産のコーヒー豆は世界中のバイヤーから高い評価を得ました。
スペシャルティコーヒーとは、豆の生産からコーヒーとして消費者に提供されるまで、全ての生産工程が管理されており、品質が安定して優れていると認められたコーヒーのことです。
コーヒー豆の種類・銘柄 | 特徴 |
カルメロ・ユフラ | 北ユンガス地方のカラナビ州にある、標高が1700m以上のカルメロ・ユフラ農園で生産されるコーヒーです。酸味と甘みと苦みのバランスが取れているコーヒーです。 |
コパカバーナ | ユンガス地方に位置するチチカカ湖がある都市コパカバーナにあるコパカバーナ農園で生産されるコーヒーです。ナッツのような香ばしい香りとチョコレートのような甘くて芳醇な香りが特徴です。 |
ダミアン・ウアンカ | カラナビ州にある標高1650mの高地にあるダミアン・ウアンカ農園で生産されるコーヒーです。爽やかで明るい酸味が特徴的です。
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リオコリ | カラナビ州にある標高約1500mの高地にあるリオコリ農園で生産されるコーヒーです。ほのかな甘い香りとコクが特徴的です。
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ボリビア産のコーヒー豆は、中煎り程度のハイロースト~フルシティローストがおすすめです。
今回は、ボリビア産のコーヒー豆についてご紹介してきました。
ボリビア産のコーヒー豆は無農薬で栽培され、生産から精製まで手作業で行われています。その為、生産量も少なく希少価値も高くなっています。
まだまだ日本でも流通量は少ないですが、是非機会があれば南米ボリビアの高品質なコーヒーを堪能してください。