メキシコはコーヒーの生産量がラテンアメリカにおいてブラジル、コロンビアに次いで第三位のコーヒー生産大国で、世界の生産量ランキングにてベスト10入りすることもある程です。

アメリカのすぐ近くにあるメキシコは、そのアクセスの良さと高品質なコーヒー豆により、世界中のコーヒーファンに関心を寄せられています。

メキシコのコーヒーの歴史

メキシコにコーヒーの苗木が持ち込まれたのはスペインの植民地時代であった1790年頃のことだと言われています。1802年にはメキシコで初めてコーヒーの輸出が行われましたが、メキシコで本格的にコーヒー栽培が行われたのはスペインから独立してからの1821年以降です。

1860年代のグアテマラとの国境戦争、1910年のメキシコ革命を経て、1973年にメキシコ政府がメキシコ・コーヒー協会を設立し、コーヒー生産者に栽培技術の指導や資金援助を行ったことでメキシコのコーヒー産業は拡大しました。

そうして1980年代にはコーヒーに付加価値を加えるべくオーガニックコーヒーの栽培が始まり、今日のコーヒー大国としての基盤が出来上がってきました。現在ではオーガニック認証、フェアトレード認証、シングルオリジンのコーヒーの生産国として世界中から注目を集めています。

メキシコ産コーヒー豆の特徴

メキシコはコーヒーに付加価値を加えることで、スペシャルティコーヒーの産地として、より高い位置づけになっています。中でもオーガニックコーヒー、フェアトレードなどの試みを初めて行った地として、メキシコはコーヒー産業の進展に貢献してきました。メキシコは今なお他の国と差別化を図るべく、コーヒー豆の品質向上や改良に力を注いでいます。

メキシコのコーヒー豆の生産地

主にグアテマラ国境沿いの「チアパス州」と太平洋側中南部の「オアハカ州」とメキシコ湾岸の「ベラクルス州」でのコーヒー栽培が盛んです。それぞれコーヒーの生育環境が大きく異なり、個性あるコーヒー豆を栽培しています。

他にも、プエブラ州、グエレロ州、イダルゴ州、サン・ルイス・ポトシ州、ナヤリット州、コリマ州、ハリスコ州、ケレタロ州、タバスコ州の合わせて12の州で栽培されています。

メキシコ産地コーヒーの味・香り

従来はナッツやチョコレートの風味を活かしたまろやかな味わいのものや、低地栽培のブレンド用のお手頃な価格帯のコーヒー豆を生産していましたが、「チアパス州」の様な高地栽培の爽やかな酸味とコクのバランスがとれたクリアな味わいのコーヒー豆が主流となっています。

メキシコ産コーヒー豆の等級

  • Strictly High grown(SHG):1700メートル以上の標高で生産されるコーヒー豆
  • High grown(HG):1000~1600メートルの標高で生産されるコーヒー豆
  • Prime washed:700~1000メートルの標高で生産されるコーヒー豆

※High Grown(HG)はスペイン語でアルツーラ(Altula)とも呼びます。

メキシコ産コーヒー豆の種類・銘柄

コーヒー豆の種類・銘柄 特徴
メキシコAL(アルツーラ) メキシコの高地で収穫される最高品種です。
メルセデス 芳醇な香りから「コーヒーの女王」とも称されます。
コアテペック メキシコで最も古いコーヒーの産地コアテペックのコーヒーです。
オアハカ スパイシーな香りが非常に特徴的なコーヒーです。

メキシコ産コーヒー豆のおすすめの淹れ方

メキシコでは煮出しコーヒーが主流です。細挽きにした深煎りのコーヒー豆を水と一緒に鍋に入れ煮出します。その煮出したコーヒーをフィルターにかけて濾して飲む方法が「カフェ・デ・オーヤ」というメキシコの伝統的な飲み方です。

メキシコ産コーヒー豆の情報まとめ

メキシコは今なおコーヒー生産技術をぐんぐん伸ばしていっている非常にポテンシャルの高い国です。地域によって異なる生育環境を活かして個性あふれるコーヒーを生産しています。

メキシコ産コーヒー豆の記事一覧