

インドネシアは、コーヒー豆の生産量がブラジル、ベトナム、コロンビアに次ぐ第4位のコーヒー大国です。
インドネシア産のコーヒー豆を聞いたことがない人もいるかもしれませんが、「マンデリン」や「ジャワコーヒー」、「トラジャコーヒー」を飲んだことがある人もいるのではないでしょうか?実はこれらすべて、インドネシア産のコーヒー豆なのです。
そこで今回は、インドネシア産コーヒー豆の特徴から銘柄までご紹介させていただきます。
インドネシアのコーヒーの歴史は17世紀に始まります。
オランダ東インド会社が、ジャワ島にアラビカ種のコーヒーをインドから持ち込みました。この時のコーヒーは自然災害などにより全滅してしまいましたが、1699年に再度、インド南部のマラバールから持ち込まれ、これがしっかりと根付き、その後ジャワ島から周りの島へ広がっていきました。
1830年にジャワ島に「強制栽培制度」が実施されると、プランテーションで大規模コーヒー農園が設立され、インドネシアのコーヒー栽培が本格化していきます。
しかし、19世紀に起こった「サビ病」により、当時主流であったアラビカ種が壊滅的な被害にあってしまいます。その為、その後は「サビ病」に強い、ロブスタ種にシフトして、コーヒー豆の生産を拡大していきました。
ロブスタ種はアラビカ種に比べて、サビ病等への耐病性に優れているだけでなく、低地でも栽培できる上に、成長が早く採取量も多いのが特徴です。現在も、約90%がロブスタ種です。
それでは、インドネシア産コーヒー豆の特徴をご紹介していきます。
インドネシアのコーヒー豆は、約70%がスマトラ島、約12%がジャワ島、次に約10%をスラウェシ島で生産されており、その他多くの島々でも生産されています。
このように、インドネシアは火山によって土壌が肥沃であり、湿度が一年間を通して一定であるため、コーヒー豆の栽培に適しています。
インドネシアではロブスタ種が主に生産されていますが、スマトラ島の高地ではアラビカ種として有名な「マンダリン」があります。このように標高4000mを超えるような山岳地もあるインドネシアでは、寒暖差があるため良質のアラビカ種も生産されています。
特にスラウェシ島に至っては、インドネシアの中でアラビカ種の栽培が最も多く、アラビカ種が9割、ロブスタ種が1割となっており、他の島とは栽培品種が真逆です。
インドネシア産のコーヒー豆は、多くの島々で栽培されていることから、生産地によって様々な特徴の味や香りを楽しむことができます。
その中でも、一番生産量が多いインドネシア産のロブスタ種は、濃厚な苦みと強いコクが特徴的です。
インドネシア産コーヒー豆は、欠点豆の数で格付けされます。300g中のサンプルに含まれる欠点数に応じて以下のようになります。
また、「G1」の中でも特に風味や品質が優れているものは「SPG1」とされます。
コーヒー豆の種類・銘柄 | 特徴 |
ジャワロブスタ(ジャワコーヒー) | ジャワ島で栽培されたロブスタ種です。酸味が少なく、苦みとまろやかな香りが特徴です。カフェイン含有量が多いのも有名です。 |
マンデリン | スマトラ島で栽培されたアラビカ種の高級豆です。酸味が少なく、深いコクと苦味が強いのが特徴です。カフェオレにもよく合います。 |
ガヨ・マウンテン | スマトラ島のガヨ高地で栽培されたアラビカ種です。しっかりとしたコクと香りがあり、クセのない上品なまろやかな風味が特徴です。 |
バリ アラビカ | バリ島の高原で栽培されたアラビカ種です。深い香りとほろ苦さが特徴です。 |
トラジャコーヒー | スラウェシ島のトラジャ地方で栽培されたアラビカ種です。コクのある苦みと優しい酸味と甘み、香りが良いのでバランスが取れているのが特徴です。 |
ジャコウネココーヒー(コピ・ルアク) | 上質なコーヒー豆を好んで食べるジャコウネコの排泄物の中にある、未消化のコーヒー豆からできたコーヒーです。風味や香りが素晴らしく品質が高い為、高価です。 |
キンタマーニコーヒー | バリ島で栽培されたコーヒーです。優しい口当たりとフルーティーな香りが特徴のコーヒーです。 |
インドネシア産のコーヒー豆の飲み方として、インドネシアコーヒーがあります。淹れ方をご紹介します。
まず始めに、細かく挽いてあるコーヒーの粉を小さじ山盛り1杯程度カップに直接入れます。砂糖を入れたい人はこの時に砂糖も入れます。次に、お湯を注いでからスプーンでよくかき混ぜます。最後に、小さなお皿などで、コーヒーを入れたカップに蓋をして待ちます。
5分程度待つとコーヒー粉が下に沈むので、上澄みのコーヒーをすするように飲みます。その時、コーヒーの粉は残しましょう。
インドネシア産コーヒー豆についてご紹介してきました。
インドネシアは多くの島々が集まっている国なので、多くの種類のコーヒー豆が楽しめるコーヒー好きにはたまらない国であることが分かっていただけたと思います。
是非、インドネシアコーヒーを楽しんでくださいね。