

突然ですが皆さん、コーヒーはお好きですか?私はもちろん大好きです。ホッと一息つきたい時や、食後の一杯など、1日何杯も飲む方もいらっしゃるでしょう。
実際のところ、日本は世界第4位のコーヒー消費国で、コーヒーが好きな国です。しかし、
「日本でコーヒーを栽培している地域はあるの?」
「日本産のコーヒー豆なんてあるの?」
このように思われる方が多いはずです。確かに99%以上は輸入に頼っていますが、おそよ1%は国内でも生産しているのです。
そこで今回は、日本の国産コーヒー豆の特徴と銘柄一覧まで、ご紹介したいと思います。
日本の国産コーヒーの歴史は新しく、1878年(明治11年)に始まります。
榎本武揚(東京農業大学の創始者でもある)が、オランダ留学中にコーヒー栽培に大変興味を持ち、インドネシアのジャワ島の苗を小笠原諸島で試験栽培したのが始まりです。この苗木は無事に小笠原諸島に根付き、4年後にはコーヒー豆を収穫するまでになりました。
しかし、当時は経済的に厳しく、現金価値の高いサトウキビや南瓜の栽培の方が重視されており、コーヒー栽培は浸透せず、コーヒー豆の木は放置され野生化してしまいました。その後、太平洋戦争が始まり、小笠原諸島でコーヒー栽培が再開されたのは戦後でした。
このように小笠原諸島でのコーヒー栽培が滞っている間にも、1924年(大正13年)には沖縄県の「桃原農園」にて、小笠原諸島から譲り受けたとされるコーヒーの苗木を持ち込み試験栽培がされました。
その後は沖縄県や東京都小笠原諸島を中心に、現在でもコーヒー豆の栽培は続けられています。
日本の国産コーヒー豆の特徴について、お話ししていきましょう。
コーヒー豆は「コーヒーノキ」から収穫されます。この「コーヒーノキ」は温度、雨量、日照時間、土壌の水はけ、標高等の一定条件をクリアしなければ、栽培することが難しい植物です。
このコーヒー豆栽培のための一定条件をクリアする地域は、赤道を中心として北緯25度~南緯25度の間に限られており、この地域は「コーヒーベルト」とも呼ばれています。
残念なことに、日本の本州は「コーヒーベルト」に位置しておらず、コーヒー栽培には適していません。しかし、小笠原諸島は北緯26~27度、沖縄は北緯24~26度であり、コーヒーベルトに届きそうな場所に位置しているため、栽培可能な地域となっております。
最近では、鹿児島県の屋久島や、徳之島でも栽培されています。また、本州でも、耐寒性のあるコーヒー豆のハウス栽培に成功した事例も見られるようになりました。
日本の国産コーヒは、苦みやコクがしっかりとあるのに、優しい甘みと酸味が効いている、すっきりとしたバランスの取れた味わいです。カカオのようなふんわりした甘い香りが広がり、後味はさっぱりとしてクセがないのが特徴です。
国産のコーヒー豆は生産量も少なく、歴史も浅いため、まだまだ発展途上です。
しかし、生産量が少ないながらもスペシャリティーコーヒーの称号を手にしたコーヒー豆も誕生しています。日本のコーヒー産業は、今後の発展を期待されています。
国産コーヒー豆の種類と特徴を簡単にまとめました。是非、お好みの国産コーヒー豆を見つける参考にしてください。
コーヒー豆の種類・銘柄 | 特徴 |
名護コーヒー | 沖縄県北部のコーヒーベルトに位置する、農園で、農薬を使わずに栽培された珈琲豆。昼夜の寒暖差が程よいので、品質の良いコーヒーに仕上がっています。 |
ノアコーヒー | 化学肥料を使わず、自然と木自身の成長力に任せた、優しい栽培法により採れた「沖永良部島珈琲豆」を使ったコーヒーです。 |
沖縄コーヒー協会 | 沖縄コーヒー協会が販売する、香りと苦みと甘みのバランスが取れた沖縄県産コーヒーです。 |
石垣島珊瑚珈琲 | 与那国島の化石珊瑚を使用して、遠赤外線で焙煎し豆の芯まで十分に火が通るように仕上げたコーヒーです。 |
寿古珈琲 | 長崎県にある観光コーヒー農園「長崎スコーコーヒーパーク」にて栽培、収穫されたコーヒー豆を使ったコーヒーです。 |
小笠原コーヒー | 小笠原諸島にある野瀬農園で、一粒ずつ丁寧に収穫されたコーヒー。コーヒーツアー参加者限定で購入することができる幻のコーヒーです。 |
日本の国産コーヒー豆のおすすめの淹れ方をご紹介します。
国産コーヒー豆の特徴である、苦みやコクを活かすことが大切です。その為、焙煎は中煎り程度がおすすめです。
また、さっぱりとした後味を楽しむためには中挽きがおすすめです。
ペーパードリップで淹れる時は、85℃前後のお湯を少量注ぎ30秒程度蒸らしてから、ゆっくりと全体に注ぎます。時間をかけすぎると苦みが強くなるので注意してください。
日本の国産コーヒーについて、ご紹介させていただきました。
日本の国産コーヒーの歴史はまだまだ始まったばかりです。しかし着実に成長しており、沖縄県や小笠原諸島ではそれぞれ、年間200kgのコーヒー豆の収穫に成功するまでになりました。
コーヒー好きの日本人なら、一度は国産コーヒーを飲んでみたいですよね。
早速、お取り寄せしてみてはいかがですか?