

ニューカレドニアは、南太平洋のオーストラリアの東に位置する島で、ヌメアを首都とするフランスの海外領土です。日本では、「天国に一番近い島」として知られる人気のリゾート地です。
この魅力的な島、ニューカレドニアには、とても希少価値の高い「ブルボンポワンチュ」という品種が栽培されていて、それは別名「天国に一番近いコーヒー」とも呼ばれる魅惑のコーヒーなんです。
今回は、そんなニューカレドニアのコーヒーについてご紹介していきたいと思います。
ニューカレドニアのコーヒーの歴史は、19世紀後半に始まりました。
コーヒーノキが、レユニオン(昔のブルボン島、フランスの海外県)から持ち込まれ、アラビカ種を中心に栽培され始めました。
その中でも、アラビカ種の「ブルボンポワンチュ」は品質が高く人気で、1911年にはマルティニック人の商人がフランスへ持っていき販売したところ、フランスの大手輸入会社の目に留まり、フランスでブルボンポワンチュを販売する会社を設立されたほどでした。その当時は、年間2,000トンものブルボンポワンチュやその他のアラビカ種をフランス本国へ輸出していました。
しかし、その後、世界大戦や自然災害、ニッケル産業へのシフトなどが起こった上に、コーヒーノキが害虫の被害に遭い、コーヒー栽培は衰退していきました。
その後の1997年にコーヒー農園の跡地から、奇跡的にかつてのアラビカ種であるブルボンポワンチュのコーヒーノキが残っており、200本の苗木から再び栽培が進められていきました。この農園は、その後の「イダ・マーク」農園です。
このブルボンポワンチュは、突然変異によりレユニオン島で生まれた品種です。気候の変化や土壌環境に対してとてもデリケートなので栽培が困難で、生産量が少ない為、希少価値も高いです。
一般的なコーヒー豆に比べて、形状は細長く尖っています。しかし、カフェインの含有量が一般的なコーヒー豆に比べて半分程度なので、さっぱりとした飲み口と、ほのかな苦みが人気のコーヒーです。
ニューカレドニア産のコーヒー豆の特徴についてご紹介していきましょう。
ニューカレドニアのコーヒー豆栽培については、長く続く干ばつなどの影響で多くの農園が休業状態に陥ってしまいました。
その為現在では、ニューカレドニアの首都ヌメアから北へ約130キロに位置する、ファリノ村にある「イダ・マーク」農園でのみ栽培されています。
ニューカレドニア産のコーヒー豆は、フルーティーな甘い香りと、優しい風味が特徴です。また、カフェインの含有量が一般的なコーヒー豆に比べて半分程度なので、コーヒー独特の苦みも少なく、品のある酸味とさっぱりとした飲み口も特徴です。
ニューカレドニア産コーヒー豆は、現在「イダ・マーク農園」のみで生産されており、等級付けはされておりません。
コーヒー豆の種類・銘柄 | 特徴 |
ブルボン・ポワンチュ | ニューカレドニア島の「イダ・マーク農園」だけでしか栽培されていない珍しいコーヒーです。レッドブルボンの突然変異によりできた希少品種です。甘く柔らかい風味が特徴です。「リロイ」とも呼ばれます。 |
ニューカレドニア産コーヒー豆は、ミディアムロースト程度に焙煎して、品がある酸味を楽しむのがおすすめです。
カフェインが少ないので、ドリップする際には通常よりも少し時間をかけて濃い目に淹れると、ニューカレドニア産のコーヒー豆を存分に楽しめます。
今回はニューカレドニア産のコーヒー豆についてご紹介してきました。
かつて、ニューカレドニアで世界的に人気があった「ブルボンポワンチュ」は、複雑な歴史を乗り越えて、現在も「イダ・マーク農園」が大切に守っています。
この「天国に一番近いコーヒー」是非、一度味わってみたいものですね。