

「最後の楽園」とも称されるパプアニューギニアは未だ手つかずの自然で溢れかえっています。そんなパプアニューギニアで生産されるコーヒーが近年世界中で注目されているのをご存知でしょうか?
「一日で一年の気候を繰り返す」と言われる気象の変化などコーヒー豆の生育に理想的な環境があり、そこで生産されるコーヒー豆はマイルドで深いコクと優しい酸味が溶け合います。
今からそんなパプアニューギニアコーヒーについてご紹介していきます。
パプアニューギニアのコーヒー生産の歴史は浅く、以前よりヨーロッパ人が訪れてはいたのですがコーヒーは伝播されませんでした。1930年代にヨーロッパ人の宣教師によってジャマイカのブルーマウンテンの苗木が持ち込まれたことがきっかけとなって、パプアニューギニアでもやっとコーヒー生産が始まりました。
そもそもパプアニューギニアはいくつもの国に統治されていた歴史を持ち、オランダ、ドイツ、イギリスの植民地時代を経て、オーストラリアの統治下で本格的にコーヒー豆が栽培されるようになったという背景があります。
それから1975年にパプアニューギニアとしてオーストラリアから独立すると、独自の方法でコーヒーを生産していくようになりました。
パプアニューギニア産コーヒー豆は硬くゴツゴツしていて粒も大きめな為フルーティーな香りをしっかり残します。その多くはティピカ種ですが、その他にブルボン種、アルシャ種があり、在来品種(ティピカ種・ブルボン種)が数多く残っている点も大きな魅力です。
それらはフルーティーな香り、野性味のある甘酸っぱさが特徴で、以前は時期によってコーヒー豆の味と品質にバラつきがあったり、農園ごとの品質の差もありましたが、近年は「シグリ農園」等の品質の高いコーヒー豆を生産する農園も増え事情が変わってきています。パプアニューギニアも品質や味を重視する傾向になってきたのです。
パプアニューギニアの総面積は日本の約1.25倍の大きさの462000平方キロメートルで、未だ手つかずの自然で溢れかえり、国民の大半は農業と漁業に従事しています。
コーヒー産地の中心は南太平洋に浮かぶニューギア島の中央高原一帯で、ここは山岳地帯が大部分を占め、最高標高4000メートル以上の高さを誇る山脈が連なっています。その山々の中でも約1800~2000メートルの地点でコーヒー豆は丁寧に栽培されているのです。
また、熱帯性のモンスーンの影響で年間降水量2000ミリにもなり、雨季(11月~4月)と乾季(5月~10月)がはっきりしているのも特徴です。
こうした標高の高さやモンスーンに加えミネラルが豊富な火山性の土壌、冷涼な気候などコーヒーの栽培には最適な条件が揃い、世界の生産国中で最上級に類するレベルと言えます。
深いコクと甘酸っぱいフレーバーがバランス良く溶け合い、チョコレート系の深いコクとベリーやシトラスの様なジューシーなフルーツフレーバーも合わせ持ちます。冷めてくるとフルーツ系の甘酸っぱさがはっきりと感じられます。
コーヒー豆の種類・銘柄 | 特徴 |
シグリ | パプアニューギニア産コーヒーの美味しさを世界に知らしめた老舗シグリ農園の最高級コーヒーです。 |
ニューギニア プローサ | シグリと並んで人気を集める銘柄で、オーストラリア有機認証(NASAA認証)の最高品質プレミアムコーヒーです。 |
ニューギニア ブヌン・ウー | ブヌン・ウーとは農園内を流れる小川の名前でピーチとシトラスが混ざったようなトロピカルな風味が特徴です。 |
ニューギニア キガバー | パプアニューギニア最高峰ウィルヘルム山の近郊ジワカ州にある農園キガバーで生産される野性味を残したフレッシュな味わいが楽しめるコーヒーです。 |
パラカ | マウントハーゲンの高地で栽培され丁寧にハンドピックを行っているためか雑味が少なく強い苦みが苦手な人でも飲みやすい良質なコーヒーです。 |
コクが持ち味のコーヒーなのでペーパドリップやネルドリップでゆっくり抽出することをおすすめします。ベストな焙煎度は中深煎りで、深煎りでも美味しく召し上がれます。基本的に硬質の豆ばかりなので中深煎りまでしっかり焙煎することが望ましいです。
パプアニューギニアは生産国として歴史が浅いためこれまで知名度が低かったのですが、国内のコーヒー生産技術が大きな進展を遂げて独自のコーヒー生産のノウハウが出来上がってきています。
これからパプアニューギニアは良質なコーヒー豆の生産地として注目を集めることになるでしょう。