

コーヒーというと南米やアフリカを想像する方も多いと思いますが、ベトナムは、コーヒー豆の生産量がブラジルに次ぐ世界第2位であるコーヒー大国です。また、ベトナム産コーヒー豆の90%以上を占めるロブスタ種に関していえば、世界第1位の生産国でもあります。
日本ではあまり見かけることのないベトナムのコーヒー豆ですが、実はとても特徴的な味や香りで、ベトナム独自の人気の飲み方もあります。
そこで今回は、ベトナム産コーヒー豆の特徴と銘柄について詳しくご紹介していきます。
ベトナムのコーヒーの歴史は19世紀に始まります。
当時のベトナムはフランスの植民地であり、コーヒー豆はフランスの宣教師により持ち込まれ栽培が始まりました。栽培品種としては、コーヒー豆の大敵である、「サビ病」等の伝染病に強いロブスタ種を中心に進められていきました。
栽培当初は、フランス人の為のコーヒー栽培でしたが、フランスから独立後は、ベトナム人がベトナム人の為に作るコーヒー栽培へ移っていきました。
その結果、現在ではブラジルに次ぐ世界第2位のコーヒー豆生産国にまでなりました。
ベトナム産コーヒー豆の特徴についてご紹介していきます。
ベトナム最大のコーヒー豆生産地は、ベトナム中南部にある標高500mの高原、バンメトートです。ダクラック省の省都で、コーヒーだけでなく、象と少数民族が多い事も有名です。
この地域は北緯12度に位置してコーヒーベルトに含まれ、平均気温が25~27度前後なので、ロブスタ種を栽培するのにとても適した場所です。
しかし、近年ではベトナム中南部のラムドン省などでアラビカ種の生産も増えてきており、今後はベトナム産のアラビカ種にも期待ができそうです。
ベトナム産コーヒーの一番の特徴は、苦味と渋味が強いことです。また、酸味はほとんど無く、香ばしい香りが強いのも特徴です。
一般的にロブスタ種はアラビカ種よりも品質が落ちるといわれることもあります。その為、インスタントコーヒーや缶コーヒーの原料にされることもおおい品種です。
ベトナム産コーヒー豆は、スクリーンサイズと欠点豆の割合で格付けされます。
品質の高いものから、
このようになります。
ベトナム産コーヒー豆の銘柄や特徴をまとめました。
コーヒー豆の種類・銘柄 | 特徴 |
ベトナムロブスタ | ベトナムで生産されるほとんどがこのロブスタ種です。ストレートでは、苦みや渋みが強いので、ベトナムコーヒーという飲み方で飲まれたり、缶コーヒーやインスタントコーヒーの原料になっています。 |
エバーグリーン | ベトナムでは珍しいカティモール種です。アーモンドのような香ばしい香りと、渋味のある酸味やしっかりとしたコクのある苦みが特徴です。 |
ルビーマウンテン | ベトナムでは珍しいアラビカ種です。ルビーの産地で採れることが名前の由来です。優しい酸味とコク、爽やかな苦みが感じられるバランスの取れたコーヒー豆です。 |
ベトナム独特の飲み方として「ベトナムコーヒー」があります。これは、カカオのような甘さと、深みのある苦みと濃厚な香りが癖になるコーヒーです。
ベトナムコーヒーは、深煎りの粗挽き豆がおすすめです。
ペーパードリップでもよいですが、ベトナムコーヒー専用のフィルター「カフェ・フィン」を使用すると更に本格的なベトナムコーヒーを楽しめます。
まずは、コンデンスミルクをグラスに入れます。そしてフィルターをセットして、通常よりも少ないお湯でゆっくりと濃い目に抽出します。カフェ・フィンの穴は細かいので、抽出に5分以上かかります。
苦みの強いコーヒーにコンデンスミルクがよく合い、デザートのような濃厚で甘い味わいです。ゆっくりと時間をかけて飲みましょう。
今回はベトナム産コーヒー豆についてご紹介してきました。
世界第2位のコーヒー生産国であるベトナムのコーヒー豆は、現在はロブスタ種が中心ですが、今後は更に品質の高いとされるアラビカ種の生産量も増えていくことが期待されています。
これからもベトナム産コーヒー豆から目が離せませんね。