エチオピアのコーヒー生産従事者はおおよそ人口の5分の1とされます。また、生産国としてだけでなく消費国としての歴史も長く、エチオピアの人たちはコーヒーを日々の暮らしに取り入れています。

エチオピアはコーヒーノキ発祥の地で、今なお高品質のコーヒーを生産している国でもあります。日本ではおなじみとなったモカコーヒーや最近ではスペシャルティーコーヒー人気で注目を集めているのです。

スペシャルティーコーヒー人気の火付け役「ゲイシャ」などもこの地で生まれました。

また生産国でありながら消費国としての歴史も長く、コーヒーは日常生活にエチオピアの人々にとって欠かすことが出来ないものなのです。

エチオピアコーヒーの歴史

エチオピアはコーヒー豆の生産国としてだけでなく消費国としても歴史が長く 、 飲料としてのコーヒーはこの地から始まったのではないかとされます。山羊飼いカルディがコーヒーを見つけたとされる伝説が今なお語り継がれていることからエチオピアは「コーヒー発祥の地」とも言われています。

伝説によると、エチオピアの奥地に住む山羊飼いカルディはある日、世話をしている山羊が活発に飛び跳ねているのを発見するのです。その原因を調べたところ、とある赤い実に行き着きました。それをカルディも食べてみたところ、気分爽快、眠気も吹っ飛んでしまったのです。その赤い実がコーヒーだったというお話です。

また、古くからエチオピアの人たちはコーヒーセレモニーと言ってコーヒーを飲むという行為に精神性を見出し、文化的習慣としてとても大事にしています。結婚前の女性が身につけるべき作法の一つとされ、祝い事、集会、哀悼の儀などの際に行われているのです。

お香を焚いて身を清めて伝統的な作法のもと、コーヒーを淹れ大勢の客人をもてなします。そうした作法は日本の茶道の精神性にも通じる面がありますよね。エチオピアの人たちにとってコーヒーは欠かせないものであり、暮らしを彩ってくれるのです。

エチオピア産コーヒー豆の特徴

エチオピアはアラビカ種の原産地であり、自生のコーヒーノキが現存している極めて稀な国です。コーヒーノキはアカネ科コフィア属の常緑樹で、コーヒーベルトと呼ばれる降雨量の多い常緑樹林地帯を中心に生育されています。

コーヒーノキ自体は世界中に生えていますが、自生したものではなく帰化したものがほとんどです。なので、自生の木からコーヒーの実を収穫することは少なく、ほとんどが種子から育成したコーヒーノキのコーヒーの実を収穫します。

また、フォレストコーヒーといわれる原生林の中、自然のまま育っているコーヒーノキが残っている稀少な地域でもあります。ただ近年の環境破壊で減少の一途を辿っています。

エチオピアコーヒーの生産地

エチオピアの国土面積の大部分は標高約2000~3000メートルの高地で、高地ならではの寒暖差や豊沃な火山灰土壌を活かしてコーヒー栽培を各地で行っています。カッファ、ディマ、イルガチェフェなど手つかずの自然が多く残る美しい地区が多いです。それぞれ地の利を生かしてその地に合った生産方法で個性的なコーヒー豆を生み出しています。

エチオピアコーヒーの味・香り

世界的に評価の高いスペシャルティーコーヒーの生産地で、いずれもボディが力強く、香りが非常に華やかです。エチオピアはアラビカ種の原産地で個性際立つ豆が多く、サードウェーブコーヒーらしい浅煎りコーヒーに適しています。

エチオピアコーヒー=モカのイメージも強く、特にナチュラル方式で生産されるコーヒーにモカ香が強く感じられます。ウォッシュト方式(水洗式)はモカ香は落ちますが、代わりに果物や花に例えられるような爽やかな香りを持つのが特徴です。

特にイルガチェフェ産のウォッシュト方式が人気でシトラス系の香りが強く、パナマの高級銘柄ゲイシャと並ぶ人気の銘柄です。

エチオピアコーヒー豆の等級

エチオピアのコーヒー豆は300g中の欠点豆の少なさでグレード分けされています。

  • G1 0~3個
  • G2 4~12個
  • G3 13~27個
  • G4 28~45個
  • G5 46~90個

さらにその下にG6、G7、G8、G9と続きますが輸出されるのはG5までとされています。

エチオピアのグレード分けは非常に高水準です。例えばインドネシアでは最上級であるG1が欠点豆0~11に対して、エチオピアではG1が欠点豆0~3という異例の少なさなのです。

そして現時点エチオピアにおいてG1が適用されるのはイルガチェフェ、シダモの極一部とされています。

エチオピア産コーヒー豆の種類・銘柄

コーヒー豆の種類・銘柄 特徴

カッファ

コーヒーの名称の由来となったカッファ地区にて生産されています。

ディマ

知名度は高くありませんが、カッファ同様コーヒー発祥の地とされるディマにて生産されています。

イルガチェフェ 
エチオピアコーヒーの中でも非常に人気の香りが素晴らしい高級銘柄です。

ハラー
世界遺産の歴史的城塞都市「ハラール・ジュゴル」で有名なハラー地区で生産されています。

シダモ
紅茶のような爽やかな味わいが特徴でスペシャルティーコーヒーらしい爽やかな酸味が特徴です。

レケンプティ
野性的な栽培方法を用いるため、品質にばらつきがありますが甘味が強いのが特徴です。

エチオピアコーヒーのおすすめの淹れ方

スペシャルティーコーヒーらしい酸味がお好みならサイフォンがおすすめです。

また、サイフォンは酸味を美味しく引き出せるだけではありません。紅茶のようなクリアな色味を持ったコーヒーが多いので、サイフォンの抽出時の視覚的な変化が美しいのです。

エチオピアコーヒー情報まとめ

コーヒー発祥の地エチオピアは未だ手つかずの自然が多く残る美しい国です。そこに暮らす人々の精神性もまた美しく、来客や祝いの席などの際にはコーヒーセレモニーという作法でもてなします。日本の茶道にも通じる部分があり、コーヒーをいかに大事にしているのかが分かりますよね。そんなエチオピアで生産される伝統的なコーヒーはいずれも個性的で、素晴らしい銘柄揃いです。

 

エチオピア産コーヒー豆の記事一覧
イルガチェフェ【エチオピアコーヒー】
レケンプティ【エチオピアコーヒー】
ディマ【エチオピアコーヒー】
シダモ【エチオピアコーヒー】
カッファ【エチオピアコーヒー】