ブラジルは皆さんもご存知の通りのコーヒー大国で、コーヒー豆の生産量、輸出量ともに世界第1位に君臨し続けています。

また驚くことに、ブラジルのコーヒー豆の生産量は300万トンを超え、世界の生産量の約1/3にもなると言うのです。コーヒー豆消費量もアメリカに次いで2位という、コーヒーが大好きな国です。

今回は、そんなブラジル産のコーヒーについてご紹介していきたいと思います。

ブラジルのコーヒーの歴史

コーヒー大国ブラジルのコーヒーの歴史は、18世紀に始まりました。

1727年にフランス人のフランシスコ・メロ・パレタが、ブラジル北部のパラー州のベレンにコーヒーノキの苗木を持ち込み、家庭用に栽培したことが最初です。その1本のコーヒーノキの苗木からコーヒー大国ブラジルのコーヒーの歴史は始まるのです。

それから約30年後、リオデジャネイロに移植され本格的にコーヒー豆の栽培が始まります。その後、ブラジル国内を海岸伝いに広まっていき、1850年代には世界最大のコーヒー大国になりました。その後、現在に至るまでコーヒー豆の生産量世界第1位の座を守り続けています。

これだけですと、ブラジルは順風満帆にコーヒー大国に成長したように思われがちですが決してそうではなく、様々な時代背景を経て現在に至るのです。

というのも、ブラジルのコーヒー豆の栽培が本格化し始めた19世紀前半には、コーヒー栽培のために約150万人の奴隷がブラジルに輸入されました。そして、コーヒー農園主の支持の元、その奴隷たちがコーヒー栽培を行い生産量の拡大に努めてきました。

その後、1850年になり、ブラジルでの奴隷制度が廃止されると、労働力に困ったコーヒー農園主たちは、ヨーロッパなどから来た多くの移民を雇って、コーヒー栽培を続けました。このように、ブラジルがコーヒー大国になるためには、多くの奴隷と移民の労働力が必要不可欠だったのです。

その後、1930年代には、ブラジル南東部のサンパウロにコーヒー生産を行うために約100万人の移民が押し寄せ、サンパウロはブラジル最大の都市となりました。

ブラジル産コーヒー豆の特徴

ブラジルのコーヒー豆の生産地

ブラジルのコーヒー豆の生産地は、主に東部~南部に集まっています。その中でも、サンパウロ州、ミナスジェライス州、パラナ州などが有名な生産地です。

ブラジルで生産するコーヒー豆は、アラビカ種が7割を占めています。一般的なコーヒー豆の生産方法は、栽培して収穫したコーヒーチェリーを広大な敷地に敷き詰めて天日乾燥させ、その後コーヒー豆を取り出して精製する方法です。

これは、ブラジルが日本の23倍にもなる広い面積を有する国であるからこそできる生産方法です。そして、このように天日乾燥させることにより、コーヒーの果肉の糖分が増して、ブラジル産コーヒー独特の深いコクと香りを生み出すのです。

ブラジル産のコーヒーの味・香り

ブラジル産のコーヒーは、爽やかな酸味とシャープな苦みと柔らかいコクのバランスがよくとれています。コーヒー豆の香りが上品で、スッキリとした後味の為、あっさりと飲むことができます。

ブラジル産コーヒー豆の等級

ブラジル産コーヒー豆は、欠点豆や異物の混入数、スクリーンサイズ、味わいの3点で格付けされるので、等級分けはやや複雑です。

まず始めに、欠点豆や異物の混入数についてです。種類やサイズによって減点数が決められており、サンプル300g中に含まれる減点合計から格付けします。等級が高いものから以下のようになっています。

  • No.2(4点以下)
  • No.3(8点以下)
  • No.4(26点以下)
  • No.5(46点以下)
  • No.6(86点以下)
  • No.7(160点以下)
  • No.8(360点以下)

次に、スクリーンサイズについてですが、8段階に格付けされており、等級が高いものから「20」~「13」となります。

最後に、味わい(カップという)についてですが、不快な刺激をどれくらい感じたかで5段階に格付けされます。等級が高いものから以下のようになっています。

  • STRICITY SOFT(不快な刺激のない滑らかな味わい)
  • SOFT(滑らかな味わい)
  • HARD(刺激を感じる味わい)
  • RIOY(やや不快な刺激を感じる味わい)
  • RIO(不快な刺激を感じる味わい)

ブラジル産コーヒー豆の種類・銘柄

コーヒー豆の種類・銘柄 特徴
ブラジルサントス ブラジルのサントス港から輸出される最高級コーヒーです。
ムンドノーボ ブルボン種とスマトラ種の交配により生まれた新種で、爽やかな酸味と優しい苦味が特徴です。
カドテアズール ブラジルで生産される最高級アラビカ種で、ブラジルのブルーマウンテンとも呼ばれます。
サンマリノサンドライ 完熟したコーヒーチェリーを天日干しで乾燥させて生産されたコーヒーです。
サンジョセ サンジョセ農園で生産された高品質のコーヒーです。柔らかい甘み、酸味、コクのバランスが取れているのが特徴です。

ブラジル産コーヒー豆のおすすめの淹れ方

ブラジル産のコーヒー豆は幅広い焙煎度で楽しめます。

苦みよりも酸味を楽しみたい方はミディアムロースト、酸味と苦みのバランスを楽しみたい方はハイロースト~シティーロースト、強い苦味を感じたい方はフルシティロースト、エスプレッソで飲む場合は、フレンチロースト~イタリアンローストとなります。お好みの焙煎度合いを見つけるのも楽しいです。

また、おすすめの挽き方は、中細挽きで、ブラジル産コーヒー豆のシャープな苦みと風味を存分に引き出せます。

ドリップする際は、お湯をゆっくりと注いでじっくりと抽出するのがおすすめです。

ブラジル産コーヒー豆の情報まとめ

今回はブラジル産のコーヒー豆についてお話してきました。

ブラジルは、コーヒー豆の生産量、輸出量ともに世界第1位であり、誰もが認めるコーヒー大国です。そして、ブラジルには約30万ものコーヒー農家や農園が存在します。

是非、様々なコーヒー農園のコーヒーを味わって、ブラジルコーヒーの知識をもっともっと深めていってくださいね。

ブラジル産コーヒー豆の記事一覧
サンジョゼ【ブラジル産コーヒー】
パッセイオ【ブラジル産コーヒー】
カルモデオーロ【ブラジル産コーヒー】
サン・アントニオ【ブラジル産コーヒー】
サンマリノサンドライ【ブラジル産コーヒー】
ムンドノーボ【ブラジル産コーヒー】
ブラジルサントス【ブラジル産コーヒー】