南アメリカの西に位置し太平洋に面しているペルー共和国(通称ペルー)は、ブラジル、コロンビア、エクアドルなどのコーヒー大国と隣接していてコーヒーベルトに属しており、ペルー自身もコーヒー豆の生産量が世界第7位に入るほどのコーヒー大国です。

今回は、2010年の全米スペシャルティー協会のコーヒー品評会で最優秀賞をとった実績のある、ペルー産のコーヒー豆の特徴から銘柄までご紹介していきましょう。

ペルーのコーヒーの歴史

ペルーのコーヒーの歴史は1700年代のスペインによる植民地時代に始まりました。

ペルーは近隣のコーヒー大国と同様にコーヒーベルトに属しており、コーヒー栽培に適した環境に恵まれていいたため、コーヒー栽培は順調に拡大していきました。

しかしペルー産のコーヒー豆のほとんどが外貨獲得のために国外へ輸出されてしまうため、ペルー国内ではあまり品質の良くない安価なコーヒー豆が流通しているという現実があります。

ペルー産コーヒー豆の特徴

ペルーのコーヒー豆の生産地

ペルーのコーヒー豆の主な産地にはフニン地区、クスコ地区、サン・マルティン地区、アヤクチョ地区などがあります。

ペルーは標高の高いアンデス山脈が広がっているために日中と夜の寒暖差が激しく、アマゾン川が流れているために水資源が豊富で、肥沃な土壌が広がっていて、湿度が高いためにコーヒー豆の栽培にとても適しています。

栽培されている主な品種はアラビカ種です。栽培方法は主に有機栽培であり、ペルー産コーヒー豆の約30%にもなります。丁寧に栽培されたコーヒーノキは5月から9月の収穫時期には完熟したコーヒーチェリーのみを丁寧に収穫していき、それぞれのコーヒー農園によってウォッシュド製法、ナチュラル製法によって精製されていきます。

ペルー産地コーヒーの味・香り

ペルー産のコーヒー豆はほどよい酸味と穏やかな苦み、マイルドな甘味を楽しめるコーヒーです。またナッツの香りとフルーティーな香りが華やかに広がるのも特徴的で、後味はマイルドでさっぱりとしています。

ペルー産コーヒー豆の等級

ペルー産のコーヒー豆の等級は欠点豆の割合により4段階に格付けされています。

品質の低いものから順に、

  • MC(機械選別にかけて、300g中に欠点豆が71~100個)
  • MCM(MCを機械選別にかけて、欠点豆が41~70個)
  • ES(MCMを機械選別にかけて、欠点豆が11~40個)
  • ESHP(ESをハンドピックにかけたもの)

以上のようになっています。

ペルー産コーヒー豆の種類・銘柄

コーヒー豆の種類・銘柄 特徴
エルパルゴ 標高が1300mにもなる高地のエルパルゴ山峰で生産されているコーヒー豆です。ビターチョコレートのようなマイルドな苦みと甘味が特徴です。
チャンチャンマイヨ 標高15001600mのチャンチャンマイヨ渓谷で生産されているコーヒー豆です。濃厚なコクとスパイシーな香りが特徴です。
ウチュナリ 完熟したコーヒーチェリーを食べたハナグマの糞の中から取り出したコーヒー豆から精製されたコーヒーです。ペルーの最高級コーヒーとして希少価値が高いコーヒーです。

ペルー産コーヒー豆のおすすめの淹れ方

ペルー産コーヒー豆のおすすめの焙煎度合いはミディアムロースト~フルシティローストです。また中挽きがおすすめです。

また、ペルーではコーヒーの飲み方が少し変わっています。コーヒーを頼むとカップに入れられたお湯と小瓶に入った茶褐色の液体が提供されます。この茶褐色の液体は濃縮されたコーヒーのエキスで、カップのお湯に注いで好みの濃さで飲むようになっています。

ペルー産コーヒー豆の情報まとめ

今回はペルー産コーヒー豆についてご紹介してきました。

ペルーは世界第7位のコーヒー生産国で、2010年に最優秀賞を受賞して以来スペシャルティコーヒーの生産に力を入れているコーヒー大国です。

しかし残念ながらペルー産のコーヒー豆の日本での流通量はあまり多くありません。もしも見かけたら、是非味わってみてください。

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