オーストラリアは先進国では珍しくコーヒーの生産を行っています。国内のコーヒー豆生産量の90%近くがマリーバというケアンズから車で1時間ほどの内陸の町で生産されています。

世界のコーヒー豆生産量と比べると、オーストラリアの生産量は0.0001%以下と言われます。非常に小規模ではありますが、良質なアラビカ種の豆が生産されるためコーヒー業界で有名です。

ただ、その稀少性の高さからオーストラリア産コーヒー豆が世界の市場に流通されることはほとんどありません。

これからそんなオーストラリア産コーヒーについてご紹介します。

オーストラリアのコーヒーの歴史

オーストラリアにおけるコーヒー栽培は1880年代にまで遡り、当時はニューサウスウェールズ州北部からクイーンズランド州の海岸線にまで栽培地域が広がりました。

しかし、1900年初頭には労働力不足と収穫時の高い人件費のためコーヒー産業は衰退の一途を辿ります。

そうして1980年代に入ると、機械収穫の導入によって人件費が90%も削減されコーヒー栽培が政府主導で再開されました。現在では政府機関の協力のもと、品種の見直しが行われ高品質のコーヒーが作られるようになっているのです。

主要産地はクイーンズランド州ケアンズから西に64キロメートル地点の位置にあるマリーバ地区で、国内の約9割が生産されています。1900年頃までは、ケアンズ地区で50から60のコーヒー農家がありましたが、財政難などから多くが倒産していき、現在クイーンズランド州マリーバ地区が国内最大の生産地として上質なコーヒーを作り続けています。

オーストラリア産コーヒー豆の特徴

オーストラリアはコーヒー栽培に非常に適した気候と豊かな土壌であり、コーヒーチェリーがじっくり成熟していくので甘味が強いのが特徴です。主にコーヒーベルト内の様な風土を持つクイーンズランド州マリーバ地区やニューサウスウェールズ州のマウンテントップにて栽培されています。

オーストラリアのコーヒー豆の生産量は0.0001%以下で限りなく0に近いため、市場に全くと言っていいほど出回ることがありませんが、コーヒー業界内では良質なアラビカ種を生産する地域として注目されています。

オーストラリアのコーヒー豆の生産地

オーストラリア北東部は年間を通じて15~25度の温暖な気候、豊富な降雨量、肥沃な土壌に恵まれていてコーヒー生産に適しています。オーストラリア産コーヒー豆は先進国で生産される珍しいコーヒーで、生産のほとんどはクイーンズランド州マリーバ地区で行われ、国内生産の9割近くを担っています。

そんなマリーバ地区の中でも有名なのがスカイバレー農園で、独自のL.E.E.F農法(Leading Edge Environment Farming)により最先端栽培技術を用いた環境にやさしいコーヒー生産を行っています。

また、ニューサウスウェールズ州のマウンテントップでは、セミウォッシュド精製95%に天日乾燥のナチュラル精製5%程度ブレンドするというユニークなコーヒーを生産しています。

オーストラリア産地コーヒーの味・香り

オーストラリア産コーヒーはまろやかで香ばしく甘く、その風味はまるでチョコレートを彷彿とさせます。キャラメルのようなコク、フルーティーなフレーバー、上品な酸味を持ち、さっぱりとした後味が味わえるのも特徴です。

オーストラリア産コーヒー豆の等級

オーストラリア産コーヒー豆には公式の等級はありませんが、生産者の多くはハワイ州と同様の等級を採用している場合が多いです。最高品質がエクストラファンシーとされ、ファンシー、No.1、セレクト、プライムと続きます。

オーストラリア産コーヒー豆の種類・銘柄

コーヒー豆の種類・銘柄 特徴
オーストラリア マリーバ スカイバレー オーストラリアで最も古い歴史を持つ国内最大級の生産業者スカイバレー農園のコーヒーです。
オーストラリア マウンテントップ エステート BIN478 ニューサウスウェールズ州で生産される大粒のコーヒー豆が特徴的なセミウォッシュドコーヒーです。
オーストラリア バンコーヒー オーストラリア発オーガニックコーヒーブランドのアラビカ豆ブレンドです。

オーストラリア産コーヒー豆のおすすめの淹れ方

甘味が特徴的なコーヒーなので最大限にその甘味を引き出す淹れ方がおすすめです。甘味を最大限に引き出すには、まずお湯の温度を85度以下にしておかなければいけません。お湯の温度を85度以下にすることにより、コーヒーの苦味成分の抽出を最小限に抑えることに繋がります。

そのため、お湯の温度を調整できるペーパードリップやネルドリップなどでゆっくり抽出することでオーストラリア産コーヒーの持ち味の甘味を味わえることでしょう。

オーストラリア産コーヒー豆の情報まとめ

オーストラリアのコーヒー生産量は世界からみると0.0001%以下ですが、コーヒーに適した風土にハイクオリティの設備のもと良質なアラビカ種が生産されているため、コーヒー業界から注目を浴びています。

あのスターバックスコーヒーが撤退してしまったという逸話をもつカフェ大国で生み出されるコーヒーもまたこだわりが詰まった逸品です。

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