コーヒー豆の生産量が世界第2位のベトナムでは、生産されるコーヒー豆は約90%をロブスタ種が占めています。そして、ロブスタ種の生産量でいうと、なんとベトナムは世界第1位となっています。
このように、ロブスタ種が有名なベトナムですが、最近ではアラビカ種やカティモール種などの生産量も増え始めています。その中でも、耐病性に優れており生産量も安定的で、品質の良いカティモール種のエバーグリーンは、注目を集める人気銘柄の1つです。
そこで今回は、このベトナム産コーヒーのエバーグリーンについてご紹介していきたいと思います。
エバーグリーンとは?
エバーグリーンの特徴・生産地
エバーグリーンは、ベトナムの中南部のラムドン省にある省都のダラット地域にて生産されています。この地域では複数のコーヒー農家がコーヒーの生産に携わっています。
この地域は気候も穏やかで湖や丘があり、景観が美しかったため、かつてのフランス植民地時代に避暑地として開発された地域です。そして今も尚、「インドシナの夏の都」と呼ばれて親しまれている土地です。
年間を通して温和な気候で、高原の山岳地帯に位置しているので日中と夜の気温差が激しく、降雨量も豊富でコーヒーベルトに属していることから、コーヒー栽培にはとても適している場所です。
このエバーグリーンはカティモール種で、名前の通り、コーヒーの生豆は美しい緑色をしています。また、生豆の粒が大きいのも特徴です。
このカティモール種とは、カトゥーラ種とティモールハイブリッド種の交配種です。カトゥーラ種はブルボン種の突然変異種で、生産性が高く、低樹高では収穫効率が良いという特徴があります。そして、ティモールハイブリッド種は、サビ病等に耐性のあるロブスタ種の性質と、味や風味に関して品質の高いアラビカ種の性質の両方を持ち合わせています。
これらの両方の特性を持つ品種を目指して研究を続けた結果、1960年頃に開発された品種こそがカティモール種です。このように、両方の特性をあわせ持つ優れた品種であることは間違いありませんが、アラビカ種に比べると風味が落ちると言われています。
エバーグリーンは、無農薬で栽培され、赤く熟したコーヒー豆の果実は丁寧に手摘みで収穫されていきます。その後、天日干しで乾燥させてから、水洗式で精製されます。
エバーグリーンの味・香り
エバーグリーンは、ほどよい酸味と果実のような甘みが特徴です。また、しっかりとしたコクとカカオのような心地よい渋味もあります。香りはナッツやハーブのような爽やかな香りなので、後味はとてもスッキリとしています。
エバーグリーンのおすすめの淹れ方
エバーグリーンのおすすめの焙煎度合いはミディアムロースト~フルシティローストです。しっかりとした酸味を楽しみたい方にはハイローストもおすすめです。お好みの焙煎度合いを見つけるのも楽しいでしょう。
また、渋味が強く出やすいので、挽き方は粗挽きがおすすめです。
ドリップしてストレートで飲むのももちろんおすすめですが、エスプレッソやアイスコーヒーにしても香りと風味が十分残り美味しく楽しめます。
エバーグリーン(ベトナム産コーヒー)情報まとめ
今回は、ベトナム産コーヒーのエバーグリーンについてご紹介しました。
生産量の90%がロブスタ種を占めるベトナムでは珍しいカティモール種のエバーグリーンは、風味や味が良いので多くの観光客のお土産としても人気があるコーヒーです。
そんな、「インドシナの夏の都」で生産されるエバーグリーン、是非一度味わってみたいものですね。