アラビア半島の南西に位置するイエメン共和国は、イスラム教徒の国であることはご存知の方も多いと思います。しかしそれだけではありません。

イエメンは、世界の中でもコーヒーの歴史が古い国であり、コーヒーの歴史を語る際には忘れてはいけない国なのです。

このようにコーヒーの歴史が古いイエメンですが、イエメンのコーヒーと言うとどのような銘柄を思い浮かべますか?多くの人は、「モカ」「モカマタリ」という名前を思い浮かべると思います。

しかし、これら以外にもイエメンには多くの銘柄のコーヒーがあり、その中でも「サナニ(モカサナニ)」というコーヒーは、世界的には有名な「モカ」の銘柄で、世界中のコーヒーバイヤーから注目を集めているコーヒーなんです。

今回は、このイエメンコーヒーの「サナニ」について、ご紹介していきたいと思います。

スポンサーリンク

サナニとは?

サナニとはどのような特徴のコーヒーなのでしょうか?それでは早速、ご紹介していきましょう。

サナニの特徴・生産地

サナニの生産は、イエメン共和国の西に位置する首都「サナア(サヌア)地区」で行われています。

この首都サナアは、標高約2,300mもの高原にあり、ほとんどがイスラム教徒の町です。

イエメンは中東アラブ諸国の中の1つで、世界で初めてコーヒー栽培が行われ、更には、世界で初めて商業的な輸出を「モカ港」で始めたとされる、コーヒーの歴史を語るには絶対に忘れてはならない国です。

栽培方法ですが、化学肥料や農薬は一切使われていません。また、収穫方法も赤く熟したコーヒーの実を一つ一つ手摘みで丁寧に収穫する方法で、現在でも昔ながらの栽培方法を引き継いで栽培されています。

また、サナニは乾燥式を用いて果肉を除いて種を取り出します。乾燥式ができる地域は限られており、雨季や乾季がはっきりと分かれているイエメンのサナア地区だからこそできる製法です。この乾燥式により、味や香りがしっかりと強調されており、サナニにしか出せない味や香りが詰まっています。

このサナニは、イエメンのコーヒー豆の各付けにおいて、モカマタリに次ぐ等級にあたります。見た目は最高等級の「モカマタリ」とほとんど変わりません。しかし、モカマタリよりもコーヒー豆は多少不揃いで、欠点豆が少し多いのが特徴的ともいえます。

このような「サナニ」の中でも、最高級品を「スーパーサナニ」と呼びます。断崖のような山間地から収穫され、その収穫量も少ないことから、「幻のコーヒー」とも呼ばれることもある、人気のコーヒーです。

サナニの味・香り

サナニは、やわらかい酸味と口当たりの良い苦味、モカ独特のやわらかい深みのあるコクが上手に表現されているコーヒーです。

また、フルーティーな香りとスパイシーな香りのバランスが取れているのも特徴的です。後味には、モカ独特のココアのような甘い香りも楽しめるコーヒーです。

サナニのおすすめの淹れ方

サナニは、中程度の焙煎度合いで焙煎し、挽き方は粗挽きがおすすめです。

90℃以下の低めのお湯をやや早めに注いで抽出します。このように抽出することで、苦みをやわらげ、サナニの特徴である柔らかな酸味を上手に引き出すことができます。また、モカ独特の香りも楽しむことができます。

スポンサーリンク

サナニ(イエメンコーヒー)情報まとめ

イエメンのコーヒー、「サナニ」についてご紹介してきました。

「世界で初めて栽培された」と言う、コーヒー豆の歴史を持つイエメンの首都のコーヒー「サナニ」について興味を持っていただけたと思います。

世界的にコーヒーバイヤーから人気を集める「サナニ」を是非、皆さんも飲んでみてください。イエメン共和国の首都の香りを、遠く離れた日本で感じることができますよ。

おすすめの記事