コーヒーミルの失敗しない選び方|カット式のメリット・デメリット
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おいしい挽きたてコーヒーを飲むためには、
コーヒーミルの選び方が重要です。

なぜなら、コーヒーミルの違いによって、
豆の挽き方が変わるからです。

そして、ただ豆を挽けば良いというわけではなく、
粒の大きさや均一さなどによって、
コーヒーのおいしさが変わってきます。

よくカット式のコーヒーミルがおすすめだと聞きますが、
おいしい挽き方の条件を満たしているからです。

しかし、カット式には、
入手しづらいことや、
価格が高いことなどのデメリットもあります。

つまり、一概におすすめだとは言えないのです。

そこで今回は、カット式コーヒーミルのメリットと、
デメリットを詳しくお伝えします。

コーヒーミル選びに迷ったら、ぜひ参考にしてください。

 

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1.コーヒーミルの魅力と選び方のコツ

コーヒーミルの魅力は、
挽きたてのおいしいコーヒーが,
自宅でも簡単に味わえることです。

おいしいコーヒーの条件には、
「煎りたて」「挽きたて」「淹れたて」の3つがあります。

コーヒーミルを使えば、
「挽きたて」の条件を満たすことができるのです。

このコーヒーミルとは、
焙煎したコーヒー豆を、
細かく粉砕するための道具のことです。

最近では、コーヒーミルのことを、
グラインダーと呼ぶこともあり、
様々な種類が販売されているため、
自宅で簡単に挽きたてコーヒーが飲めるようになりました。

特に、「カット式」とは、
電動コーヒーミルのなかでも人気のタイプです。

しかし、おいしいコーヒーのためには、
ただ豆を挽けばいいというわけではありません。

挽き方の違いによって、
コーヒーの味が変わるからです。

さらに、この豆の挽き方は、
コーヒーミルの種類によって変わります。

つまり、コーヒーのおいしさは、
どんなコーヒーミルを選ぶかによって、
変わってしまうということです。

そんなコーヒーミルを選ぶ時のコツは、
それぞれの特徴を見分けることです。

具体的には、コーヒーの飲み方(抽出方法)に適した、
豆の挽き方ができるミルを選ぶことです。

 

 

 

2.電動コーヒーミルの選び方は「刃(歯)」が重要

コーヒー豆の挽き方の違いによって、
コーヒーのおいしさが左右されます。

そして、豆の挽き方の違いは、
コーヒーミルの「刃(歯)」の違いによって決まります。

コーヒーミルの「刃(歯)」とは、
豆を粉砕する部分のことです。

つまり、コーヒーミルを選ぶときには、
どんな刃(歯)を使っているのかを、
確認することが重要になります。

今回のテーマでもある「カット式」は、
電動コーヒーミルの一つの種類です。

他には、グラインド式、コニカル式、
プロペラ式がありますので、
詳しくご紹介します。

 

2-1.カット式

図1

出典:melitta http://melitta.co.jp/

カット式は、
業務用としても多く使われているタイプです。

対になった二枚の刃(歯)で、
コーヒー豆を細かく切り刻むように挽きます。

 

2-2.グラインド式

図1
出典:Kalita https://www.kalita.co.jp/

グラインド式は臼式とも言われ、
上下2枚の歯でコーヒー豆をすりつぶすように粉砕します。

そば粉を挽く石臼のようなイメージです。

電動のコーヒーミルだけでなく、
手動のミルもこちらのグラインド式になります。

 

2-3.コニカル式

図1出典:melitta http://melitta.co.jp/

コニカル式もグラインド式と同様に、
2枚の歯でコーヒー豆をすりつぶして粉砕しますが、
歯の形状が円錐状になっているのが特徴です。

 

2-4.プロペラ式

図1
出典:melitta http://melitta.co.jp/

プロペラ式は、ブレードグラインダーとも呼ばれ、
上の写真のような刃が、
コーヒーミルの底に付いています。

この刃がプロペラのように回ることで、
コーヒー豆を粉砕します。

ちょうど、料理に使うミキサーのように、
豆を砕くイメージです。

 

 

 

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3.コーヒーのおいしさは、豆の挽き方で大きく変わる

どんなに良いコーヒー豆でも、
お店で挽いたものを買っていては、
コーヒー本来のおいしさを味わうことができません。

なぜなら、コーヒー豆は挽いた瞬間から、
湿気を吸収したり、
酸素に触れて酸化が始まり、
味が低下していくからです。

だからこそ、挽きたてのコーヒーがおいしいのです。

さらに、おいしさを引き立てるためには、
豆の挽き方も重要になります。

そのポイントは、次の3つです。

・抽出方法に適した粒度
・粒を均一にする
・摩擦熱を抑える

こうしたポイントは、
コーヒーミルの種類によって変わります。

カット式のコーヒーミルを選ぶときにも重要ですので、
それぞれ詳しくお伝えしていきます。

 

3-1.粒度で味わいと抽出方法が変わる

粒度(りゅうど)とは、
コーヒー豆を挽いた時の粒の大きさのことです。

この粒度によって、
コーヒーの味わいや抽出方法が変わってきます。

粒度は、粒の細かい順に、
次の5つのタイプに分けられています。

・極細挽き
・細挽き
・中細挽き
・中挽き
・粗挽き

粒度が細かいほど、コーヒーを抽出するときに、
お湯に触れる面積が大きくなるため、
味や色がよく抽出されます。

図1

ただし、豆の挽き方だけで、
おいしいコーヒーが抽出できるわけではありません。

コーヒーを抽出する器具によって、
適切な粒度があるからです。

抽出器具に合わせた粒度にしなければ、
おいしいコーヒーを淹れることはできないのです。

粒度に適した抽出器具の選び方をまとめたので、
下の表を参考にして下さい。

図1

 

3-2.均一な粒は雑味がない

コーヒー豆の粒度(挽き方)によって、
抽出されるコーヒーの味わいが変わることは、
先ほどお伝えした通りです。

つまり、粒度が均一になっていないと、
抽出したコーヒーの味も均一にならないということです。

この状態を「雑味」と表現されることがあります。

粒度が均一にならない理由としては、
次の2つがあります。

・コーヒーミルの「刃(歯)」の種類
・微粉(びふん)が残ってしまう

まず、コーヒーミルの種類ごとに、
豆を挽くための刃(歯)が異なります。

「カット式」というのも、
刃(歯)の種類の一つです。

この種類の違いによって、
粒度が均一になりやすいものと、
そうではないものがあります。

また、微粉というのは、
豆を挽いたときに出る非常に細かい粉のことです。

どんなに高性能なミルを使っても、
微粉は生じてしまいますが、
刃(歯)の違いによって、
微粉の量が変わってきます。

こうした粒度の不均一さや微粉が、
コーヒーを抽出した時に、
エグ味や渋みの原因になってしまいます。

おいしいコーヒーを飲むためには、
コーヒー豆が均一に挽かれていることが大切です。

 

3-3.摩擦熱がコーヒー豆を劣化させる

コーヒーミルで豆を挽く方法は、
大きく分けると次の2つになります。

・コーヒー豆を細かく刻むタイプ
・コーヒー豆をすりつぶすタイプ

どちらのタイプにも共通しているのは、
コーヒーミルについた刃(歯)を回転させて、
豆を挽くことです。

そして、この刃が回転するときに、
摩擦熱が生じます。

この摩擦熱は、
おいしいコーヒーを飲むためには大敵で、
せっかくの豆を劣化させてしまいます。

コーヒーミルを選ぶときには、
摩擦熱の発生を抑えたものを選ぶことが大切になります。

 

 

 

4.カット式コーヒーミルの3つのメリット

先ほどお伝えしたように、
電動コーヒーミルには、刃(歯)の違いによって、
4つの種類があります。

その中でも、
カット式がおすすめだと言われることがありますが、
なぜおすすめなのでしょうか。

その理由を知るために、
カット式電動コーヒーミルの、
3つのメリットをお伝えしていきます。

 

4-1.粒度の調節が簡単にできて、ほとんどの抽出方法に対応

カット式のコーヒーミルは、
2枚の対になった刃(歯)の間隔を調整することによって、
粒度を変えることができます。

調節方法も簡単で、
ダイヤルを回すだけで、
自動的に粒度を変えることができます。

粒度の調節幅も広く、
細挽きから粗挽きまで対応しています。

また、種類によっては、
エスプレッソ用の極細挽きにも対応しています。

そのため、ほとんどの抽出方法に対応した、
豆の挽き方が可能です。

 

4-2.粒が均一で微粉が少なく、雑味のないすっきりしたおいしさ

カット式のコーヒーミルは、
プロペラ式と比べると、
圧倒的に挽いた粉が均一になります。

それは、プロペラ式の豆の挽き方は、
「砕く」ことに対して、
カット式は「切り刻む」からです。

スイカ割りで砕かれたスイカがプロペラ式で、
包丁で切ったスイカがカット式といったイメージです。

また、グラインド式は、
「すりつぶす」ことで豆を挽いています。

そのため、カット式と比べても、
細かい粉状の微粉が多くなります。

つまり、カット式のコーヒーミルで挽いた豆は、
粒が均一で微粉も少ないため、
雑味のないすっきりとしたおいしさになります。

 

4-3.摩擦熱が少なく、豆が劣化しない

摩擦熱とは、ものが擦れたときに生じる熱のことです。

摩擦が大きければ、熱も大きくなります。

コーヒーミルのタイプ別に、
豆の挽き方の特徴をまとめると、
次のようになります。

・カット式  ・・・切り刻む
・グラインド式・・・すりつぶす
・コニカル式 ・・・すりつぶす
・プロペラ式 ・・・砕く

砕いたりすりつぶすことは、
豆と刃(歯)がぶつかったり、
擦れるため、摩擦が大きくなります。

これらと比べると、
切り刻むことは摩擦が少なくなります。

つまり、カット式のコーヒーミルは、
他のタイプと比べても、
摩擦熱が少ないといえます。

また、ミルの刃(歯)が回転するときに生じる、
摩擦熱も抑えるように工夫がされています。

そのため、カット式のコーヒーミルは、
摩擦熱によるコーヒー豆の劣化を防ぎ、
おいしいコーヒーが飲めるのです。

 

 

 

5.カット式コーヒーミルのデメリット

カット式コーヒーミルのメリットだけをお伝えすると、
他のタイプのミルが、
悪いものと感じられてしまうかもしれません。

しかし、カット式コーヒーミルにもデメリットがあります。

 

5-1.気軽に始めたい人には不向き

カット式コーヒーミルで人気だったのが、
Kalita(カリタ)の「ナイスカットミル」でした。

こちらは、業務用のコーヒーミルを家庭用に改良したもので、
15,000円ほどで購入でき、
コストパフォーマンスも高いと評価されていました。

しかし、現在では廃盤となり、
後継機である「NEXT G」は、
定価で59,400円もの高価なミルとなってしまいました。

また、最近の電動ミルは、
グラインド式やコニカル式が中心となっているため、
カット式のミルを探すには、
選択肢が非常に少なくなってしまいます。

こうしたことから、
気軽に自宅でコーヒーを挽いてみたいという方には、
カット式はおすすめできません。

 

5-2.エスプレッソには不向き

カット式のコーヒーミルは、
ほとんど全ての粒度に調節することができます。

しかし、エスプレッソ用としての、
極細挽き挽きは苦手です。

中には、極細挽きに対応した機種もありますが、
その性質上、豆をすりつぶして挽くタイプの、
グラインド式やコニカル式が勝ります。

エスプレッソ用として考えている方は、
カット式は避けた方がいいでしょう。

 

 

 

6.カット式コーヒーミルは本当におすすめなのか?失敗しないコーヒーミルの選び方

カット式のコーヒーミルは、
豆を挽くときの「粒度」「均一さ」「摩擦熱」のどれを取っても、
優れたものだといえます。

そのため、カット式が人気となっていました。

しかし、その人気の中心であった、
Kalitaの「ナイスカットミル」が絶版となり、
カット式のコーヒーミルを探すことが大変になりました。

つまり、カット式がおすすめだというのは、
ナイスカットミルが人気だった頃の話になります。

現在、中心となっている電動コーヒーミルは、
グラインド式やコニカル式です。

その価格も4,000円から1万円前後で、
購入することができます。

今も製造・販売されているコーヒーミルの中から選ぶのであれば、
カット式がおすすめとは言い難いのです。

入門機として選ぶのであれば、
価格も安くコンパクトで手軽に始められる「プロペラ式」、
入門用からステップアップしたいという方には「グラインド式」、
本格的な挽きたてコーヒーを味わいたいという方は、
「コニカル式」から選ぶことがおすすめです。

各コーヒーミルの比較表も参考にしてください。

図1

 

7.まとめ

カット式のコーヒーミルは、
豆を挽くときの3つのポイントを押えています。

・抽出方法に適した粒度にできる
・粒を均一にすることができる
・摩擦熱を抑えることができる

また、15,000円前後から購入することができたため、
人気も高くなっていました。

しかし、現在は、機種の数が少なく、
定価で60,000円近くする、
高価なものとなってしまいました。

そのため、入門用やステップアップとして、
おすすめできる機種とは言えません。

どうしてもカット式が良いという方以外は、
「プロペラ式」「グラインド式」「コニカル式」から選ぶのが良いでしょう。

プロペラ式は入門用、
そこからのステップアップとしてグラインド式、
さらに挽きたてコーヒーを楽しみたい方は、
コニカル式がおすすめです。

 

 


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