ジャマイカ産のコーヒーと聞いてもピンとこない方もいるかも知れません。しかし、ジャマイカ産コーヒーの代名詞とも言われる「ブルーマウンテン」をご存知の方は多いはずです。

このブルーマウンテンと称されるコーヒー豆は、ブルーマウンテン山脈の中でも限られたエリアで栽培されているコーヒー豆だけで、生産量が少なく希少価値の高いものです。

また、バランスの取れた味わいと他のコーヒーにはない優雅な香りから、コーヒーの王様とも称されています。

このブルーマウンテン、実は日本が最大の輸入国で、昭和12年から取引が続いている日本ではなじみ深いコーヒーでもあります。

そこで今回は、ジャマイカ産コーヒーのブルーマウンテンについてご紹介していきたいと思います。

スポンサーリンク

ブルーマウンテンとは?

ブルーマウンテンの特徴・生産地

ジャマイカ産のコーヒー豆の多くが、ジャマイカの最高峰である標高2256mのブルーマウンテンの麓で生産されています。

その中でも、ブルーマウンテン山脈の標高が800~1200mの地域で栽培されたコーヒー豆だけをブルーマウンテンと称することができます。また、「ブルーマウンテン」の名前の由来通り、「青みがかって見える霧」の発生がこの地域には多く、この霧のおかげでブルーマウンテンには独特の繊細な風味が加えられているのです。

この地域は、亜熱帯海洋性気候で温暖で降雨量が豊富です。また、標高が高い為1日の寒暖差は8度以上にもなります。また、水はけのよい急斜面と肥沃な土壌なため、コーヒー栽培には最高の条件が整っています。

ブルーマウンテンを栽培しているコーヒー農園は、急斜面にあることから栽培から収穫まで機械を使うことができません。その為、手作業で行います。

ブルーマウンテンは高い品質を維持するために、化学肥料を使わずに手作業で丁寧に栽培され、11月から3月の収穫時期になると、完熟した赤いコーヒーチェリーのみを手作業で丁寧に一粒ずつ収穫していきます。その後、水洗式で精製した後、天日干しで丁寧に乾燥させていきます。

ブルーマウンテンはアラビカ種のティピカ種です。この品種は、味や香りがとても優れている人気の品種ですが、病害や虫害に弱い為、栽培が難しい品種でもあります。その為、生産量は少なく希少価値はとても高くなっています。

また、ジャマイカ産のコーヒー豆は高い品質を維持するために、ジャマイカ政府が管轄する「コーヒー産業公社」によって、厳しい品質基準の元、等級付けがされています。品質の高いものから、

  • ブルーマウンテン
  • ハイマウンテン
  • プライムウォッシュト

このようになっています。

「ブルーマウンテン」については、更にスクリーンサイズと欠点豆により格付けされており、品質の高いものから、

  • No.1
  • No.2
  • No.3

セレクト(欠点豆の数が許容範囲以内で、一定基準以上のもの)」

このように等級付けされています。

そして、ブルーマウンテンだけが輸送時に樽に詰めて運ばれます。通常の麻袋による輸送に比べてコストや手間はかかりますが、樽に入れて輸送することにより樽が湿気を吸収する為、輸送時の樽内の温度や湿度を一定に保つことができます。最高級グレードのブルーマウンテンの鮮度や高い香りを保つためには欠かせないのです。これは、高品質の証でありブルーマウンテンのシンボルとも言えます。

ブルーマウンテンの味・香り

ブルーマウンテンはコクと苦み、酸味と甘みの全てが絶妙なバランスを保ち、繊細で上品な味わいを生み出しています。このことから、「黄金のバランスを持つコーヒー」とも呼ばれます。また、キャラメルやナッツのような、上品で優雅な香りが広がるのも特徴です。

クセがなく柔らかでなめらかな口当たり、そしてバランスが取れている風味は日本人好みの味です。その為、生産されているブルーマウンテンの80%以上が日本に輸出されています。

ブルーマウンテンのおすすめの淹れ方

ブルーマウンテンの「黄金のバランス」の風味と香りを最大限に引き出すために、ミディアムロースト~ハイローストがおすすめです。また、挽き方は中細引きがおすすめです。ペーパードリップで丁寧に淹れましょう。

まず始めに、ドリッパーとサーバーをあらかじめ湯煎で温めます。その後、ペーパーをセットしてコーヒー豆を入れたら、少量のお湯をコーヒー豆にかけて、コーヒー豆が膨らむまで20秒ほど蒸らします。

その後に、残りのお湯を「の」の字を書くようにゆっくりと丁寧に注いで淹れていきましょう。

スポンサーリンク

ブルーマウンテン(ジャマイカ産コーヒー)情報まとめ

今回は、ジャマイカ産コーヒーの最高級グレードであるブルーマウンテンについてご紹介してきました。

「コーヒーの王様」とも称されるブルーマウンテンは、間違いなく味も香りも最高級です。品質の高さと、生産量が少ないことから希少価値がとても高いコーヒーですが、嬉しいことに、日本への輸出量は全体の80%以上を占めていて、日本ではよく見かける銘柄でもあります。

是非、ブルーマウンテンを最高の淹れ方で、ゆっくりと楽しんでみてください。

おすすめの記事