パナマは中央アメリカに位置していて、国土は約75,000㎢ほどしかない小さな国です。しかしこのパナマには世界的に有名な「パナマ運河」があることから、小国でありながらパナマのGDPは中央アメリカで一番高いと言われています。

また、パナマは国土の約8割に山岳地帯が広がっていて、肥沃な土壌に覆われ、年間降水量は2000mm以上にもなる地域であるため、良質のコーヒー豆の生産国としても有名です。

その中でも最も有名な銘柄は、スペシャルティコーヒーとしても人気のゲイシャです。今回は、そんなパナマ産コーヒー豆のゲイシャについてご紹介していきたいと思います。

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ゲイシャとは?

ゲイシャの特徴・生産地

パナマ産コーヒーのゲイシャは、コーヒーの発祥の地であるエチオピアのカファー地区の「ゲイシャ村」で栽培されていた品種の「ゲイシャ種」をパナマに移植して栽培して生まれたコーヒーです。

この品種はエチオピアからパナマに直接渡ってきたのではなく、エチオピアからコスタリカの農業試験場を経由して1963年にパナマのチリキ県ボクテ地区に初めて移植されたのが始まりです。そのため現在でも、パナマの西部にあるチリキ県ボクテ地区が主な生産地です。

当初このゲイシャ種はさび病に強い性質があることからパナマに移植されました。しかしゲイシャ種は標高が高い地域でしか栽培できず、コーヒーノキの樹高が通常のアラビカ種に比べて2倍近くになるために栽培や収穫が困難な上、1本のコーヒーノキになるコーヒーチェリーの数が少ない為、パナマではゲイシャ種の栽培は広がりませんでした。

しかし「エスメラルダ農園」はゲイシャ種の品質の高さに惚れ込み、コストや生産性よりも高品質なコーヒー豆の生産を重視してゲイシャ種の栽培に力を注いでいきました。

その結果、エスメラルダ農園は2004年にパナマ産のゲイシャ種を「ベストオブパナマ」という大会に出品して見事に第1位を獲得し、世界中から人気を集めるスペシャルティコーヒーとなりました。その後もパナマ産ゲイシャ種の人気は上がり続け、2007年まで4年間連続で1位を獲得するという偉業を成し遂げました。

しかし、その偉業に対する苦情が他の農園から相次いだため、2007年、2008年は大会への出品ができなくなりましたが、2009年には再度出品が認められました。このような経緯を経て、ゲイシャ種へ栽培をシフトするコーヒー農園も徐々に増え続け、パナマ産のゲイシャの品質は更に発展し続けています。

ゲイシャの味・香り

ゲイシャの最大の特徴は柑橘系のスッキリとした風味です。優しい酸味と柔らかいコクだけでなく、優しい甘みが心地よく感じられるコーヒーです。香りは華やかでスッキリと飲みやすいコーヒーです。

ゲイシャ独特の透明感のある風味は他のコーヒーにはないものなので、「ゲイシャフレーバー」とも呼ばれて多くのコーヒーファンを魅了しています。

ゲイシャのおすすめの淹れ方

ゲイシャのおすすめの焙煎度合いはミディアムローストからシティローストです。中挽きにすることで、ゲイシャフレーバーとも呼ばれる独特の香りを楽しむことができます。

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ゲイシャ(パナマ産コーヒー)情報まとめ

今回はパナマ産コーヒーのゲイシャについてご紹介してきました。

ゲイシャ種はサビ病には強い性質がありますが生産性は低く、コストがかかるため、パナマ国内のコーヒー農家には敬遠されていました。しかしエスメラルダ農園のパナマ産ゲイシャ種の偉業により、多くの農家のゲイシャ種への見方が変わっていきました。その結果、パナマ産コーヒー豆の地位は上がりました。

パナマ産のゲイシャ種はゲイシャ種の中でも最高品質であると言われています。是非一度味わってみたいものです。

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