
人間に相性というものが存在するように、
コーヒーにも「豆の挽き方」と「抽出器具」に 相性が存在します。
この相性を無視して なんとなく、
勝手な組み合わせで コーヒーを淹れてしまうと大変です。
本来コーヒーが持ち合わせている 独特の味わい、
風味、コク、酸味などの 特ちょうが発揮されることなく、
なにか、中途半端なムラのある コーヒーへと落ちてしまうことがあります。
コーヒー豆が持っている本来の味わいと、
抽出器具の力の両方を最大限に発揮して 、
おいしいコーヒーを作るために、
コーヒー豆の挽き方と
抽出器具の相思相愛の組み合わせを紹介していきます。
例えコーヒー初心者の方でも、
最後まで読んでいただくと どの組み合わせから始めればよいのか、
迷うことなくわかってくるでしょう。
- 目次
1. コーヒー豆の挽き方とは
1-1. なぜ挽き方が異なるのか?
1-2. 挽き方の種類と抽出器具との相性
1-2-1. 極細挽き
1-2-2. 細挽き
1-2-3. 中細挽き
1-2-4. 中挽き
1-2-5. 粗挽き
2. 挽き方による味の違い
3. 家庭用の豆の挽き方
3-1. 手動ミルとは(長所と短所)
3-2. 電動ミルとは(長所と短所)
4. 挽き方の注意点
4-1. 大きさを均一にする
4-2. 豆に熱を加えない
4-3. 必要な量だけ
4-4. 抽出器具に合わせた挽き方を
5. まとめ
1. コーヒー豆の挽き方とは
1-1. なぜ挽き方が異なるのか?
実はコーヒー豆は、豆を挽いた瞬間こそ
最も、あの人をホっと落ち着かせるような香りを発するのです。
そして奥深いことに
コーヒー豆はその挽き方によって、
味わいが大きく変わってきます。
なぜ味わいが挽き方で変わってくるかというと、
挽いた後の粒度(りゅうど)が関係してきます。
粒度とは、コーヒー豆を挽いた後の
粒の大きさのことです。 想像してみてください。
粒度が小さければ小さいほどどうなるでしょうか?
それは粒度が小さければ小さいほど
表面積が広くなります。
その結果、より多くのお湯と接触することができるため、
自然とコーヒーの色と味の両方を
しっかり抽出することができるのです。
更に、苦みとコクのある味わいが出せます。
その逆で、粒度が大きければ大きいほど、
今度は苦みが弱くなり酸味がやや強くなります。
そして、さっぱりとした味わいが出せます。
このように、挽き方によって、
色や味に大きな差が生じてくるのです。
この時、大事なことは、
「挽き方」と「抽出器具」には
まるで恋人同士かのような相性があるという事です。
それではさっそく双方の相性を細かく見ていきましょう。
1-2. 挽き方の種類と抽出器具との相性
1-2-1. 極細挽き
挽き方 | 粒の大きさ | 適切な抽出器具 |
極細挽き | 白砂糖と同じくらい | エスプレッソ
マキネッタ |
【エスプレッソ特徴】
・エスプレッソマシーンは蒸気で一気に抽出するイタリア式です。
【マキネッタ特徴】
・直火型
・小型のコーヒー湯沸かし器(イタリアで圧倒的に普及)
・日本でいう「きゅうす」のような存在
1-2-2. 細挽き
挽き方 | 粒の大きさ | 適切な抽出器具 |
細挽き | 白砂糖とグラニュー糖の中間ぐらい | ウォータードリップ ペーパードリップ |
【ウォータードリップ特徴】
・水を使ってゆっくり抽出します。
・抽出時間は変更可能。
【ペーパードリップ特徴】
・初めての人でも簡単においしいコーヒーが淹れられます。
・中敷きにペーパーを使うので清潔で簡単に作れます。
・一つ穴タイプと三つ穴タイプがあります。
1-2-3. 中細挽き
挽き方 | 粒の大きさ | 適切な抽出器具 |
中細挽き | グラニュー糖と同じくらい | コーヒーメーカー
ペーパードリップ |
【コーヒー-メーカー特徴】
・粉と水をセットすれば後はスイッチ一つで簡単にコーヒーが作れます。
【ペーパードリップ特徴】
・初めての人でも簡単においしいコーヒーが淹れられます。
・中敷きにペーパーを使うので清潔で簡単に作れます。
・一つ穴タイプと三つ穴タイプがあります。
1-2-4. 中挽き
挽き方 | 粒の大きさ | 適切な抽出器具 |
中挽き | グラニュー糖とザラメの中間くらい | サイフォン
ネルドリップ |
【サイフォン特徴】
・空気圧を利用した抽出法です。
・アルコールランプで沸騰させた一定の湯温で作ります。
・作るまでのプロセスが大変独特でおしゃれなイメージで楽しめます。
・香り高いコーヒーを作ることができます。
【ネルドリップ特徴】
・ネル(織物)で作られた布製フィルターを使った抽出法です。
・大量抽出向きです。
・コクのあるおいしいコーヒーが作れます。
1-2-5. 粗挽き
挽き方 | 粒の大きさ | 適切な抽出器具 |
粗挽き | ザラメと同じくらい | バーコレーター
フレンチプレス |
【バーコレーター特徴】
・ポット内で循環する熱湯で抽出します。
【フレンチプレス特徴】
・金属製フィルターを押し下げプレスすることで抽出します。
・誰にでも手軽に使えることができます。
2. 挽き方による味の違い
コーヒー豆の挽き方には5段階あります。
細挽きになればなるほど、
濃度が濃くなり苦みが強まります。
粗挽きになればなるほど、
濃度がうすくなり苦みが弱まります。
下の一覧表でも確認してみましょう。
挽き方 | 味わい | |
![]() |
極細挽き | ・苦みが非常に強く出る
・苦みの濃いコーヒー |
![]() |
細挽き | ・苦みがある
・コクがある |
![]() |
中細挽き | ・クセがなく飲みやすい
・万人受けの味わい ・一般的に利用される挽き方 |
![]() |
中挽き | ・雑味が出づらい
・クリアな味わい ・スッキリした口当たり |
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粗挽き | ・苦みが少なめ
・やや酸味が強い ・さっぱりとした味わい |
3. 家庭用の豆の挽き方
焙煎した豆を家庭で挽くものに、
「コーヒーミル」があります。
ミルとは“粉砕”を意味する英語です。
家庭で焙煎した豆を挽く場合、
「手動ミル」と「電動ミル」の2種類があります。
手動ミル、電動ミルそれぞれに 長所と短所が存在しますので
一緒に見ていきましょう。
3-1. 手動ミルとは(長所と短所)
長所 | 時間をかけて挽けるので自分好みの粒度で調整ができる |
短所 | 時間がかかる。浅煎り豆だと力が必要。 |
粉砕方法 | 手動臼式 |
3-2. 電動ミルとは(長所と短所)
長所 | 時間をかけずにすぐに挽ける。 一人分は約10~15秒 |
短所 | 粒度がバラバラで粗さの調整がむずかしい |
粉砕方法 | 電動臼式、電動プロペラ式、電動カット式 |
4. 挽き方の注意点
おいしいコーヒーを淹れるには、
4つの注意点があります。
順番に説明していきます。
4-1. 大きさを均一にする
コーヒー豆を挽くとき、
粒の大きさ(粗さ)を均一にする事が重要です。
なぜなら、コーヒー豆は粉が細かくなるほど、
表面積が大きくなります。
すると、お湯に接する量が増えるので、
抽出成分が多くなり、苦みが増します。
それとは逆に粉が大きいほど、
今度は酸味が増していきます。
つまり、粒の大きさがバラバラだと、
苦みと酸味で煎りムラが起き、
一体感のないバラついた味わいになってしまうからです。
4-2. 豆に熱を加えない
コーヒー豆を挽くとき、
できるだけ豆に熱を与えないようにしましょう。
コーヒー豆を挽く時に生じる摩擦熱は、
コーヒー豆を劣化させ 風味までも落としてしまいます。
4-3. 必要な量だけ
下の表の「浅煎り」「中煎り」「深煎り」とは、
コーヒー豆の焙煎度です。
焙煎とは、コーヒーの生豆(なままめ・きまめ)を煎る加熱作業のことで、
焙煎度とは、焙煎時間の違いです。
この焙煎度でコーヒーの風味が大きく変化します。
コーヒー豆を挽いた後は 人数分に合った、
必要な量だけを抽出器具に入れていきます。
適切な量は焙煎度別に表でまとめました。
ペーパードリップの標準量
人数 | 浅煎り | 中煎り | 深煎り |
1人分 | 約8g | 約10g | 約12g |
2人分 | 約15g | 約18g | 約22g |
3人分 | 約21g | 約25g | 約30g |
ペーパードリップのやや粗挽きにした場合の量 (渋みが少なくなり更においしくなります。)
人数 | 浅煎り | 中煎り | 深煎り |
1人分 | 約10g | 約12g | 約15g |
2人分 | 約18g | 約21g | 約26g |
3人分 | 約25g | 約30g | 約35g |
粗挽きにして、標準量より少し多めに入れることで
渋みや苦みが少なくなります。
さっぱりした味わいがお好みの方にはオススメです。
4-4. 抽出器具に合わせた挽き方を
当サイト冒頭でも述べましたように、
コーヒー豆の抽出器具と挽き方の組み合わせには
相性があります。
相思相愛の相性同士で淹れられたコーヒーは、
抽出器具の力とコーヒー豆の独自の風味の両方を発揮でき、
おいしいベストなコーヒーをつくることができます。
抽出器具 | コーヒー豆の挽き方 |
エスプレッソ、マキネッタ | 極細挽き |
ウォータードリップ、ペーパードリップ | 細挽き |
コーヒーメーカー、ペーパードリップ | 中細挽き |
サイフォン、ネルドリップ | 中挽き |
バーコレーター、フレンチプレス | 粗挽き |
5. まとめ
コーヒーには「豆の挽き方」がいくつかあり、
その豆の挽き方に合った「抽出器具」を選ぶ
相思相愛の組み合わせが大事ということが
お分かり頂けたでしょうか?
分からなくなってしまった場合は、
まずは、豆の挽き方は一般的に利用されている
中細挽きからスタートし、相性の良い抽出器具として、
コーヒーメーカーやペーパードリップを オススメいたします。
特にペーパードリップは、お値段もお手頃で、
誰でも簡単にコーヒーを淹れられるので、
初心者の方にはオススメです。
そこから徐々に徐々に自分好みを追求していき、
コーヒー豆の挽き方や抽出器具に こだわっていくと良いかもしれません。
まずは基本の
中細挽き x ペーパードリップ=簡単においしいコーヒー完成 の公式をマスターしてしまいましょう。
また、豆を挽くミルも コーヒー豆専門店へ行くと、
その場で豆を挽いてくれるので、初心者の方なら、
まずはお店で挽いてもらうことからスタートするのが一番簡単です。
それから、徐々に、
お手頃価格で購入できる家庭用の手動ミルや
時短で挽いてくれる家庭用電動ミルも
検討していくことをオススメ致します。
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