エチオピアはアフリカ最高峰の豆揃いで、その中でも人気が高く個性的なコーヒー豆がイルガチェフェです。イルガチェフェはシトラス系の華やかな香りとワインのような熟成感やコクがあり、スペシャルティコーヒー好きから愛されています。
また、イルガチェフェと一口に言っても様々な種類があり、農園や精製方法で風味や香りが異なるため美味しさに幅があるのも人気の秘訣です。今からそんな人気の銘柄「イルガチェフェ」についてご説明していきます。
イルガチェフェとは？
イルガチェフェはエチオピアコーヒーの中ではシダモ、ハラーと並んで人気の銘柄です。シトラス系の香りがとても強く、スペシャルティコーヒーらしい華やかな風味が楽しめ、今やサードウェーブの代名詞と言っても過言ではないほどの人気を誇っています。
ウォッシュト（水洗式）とナチュラル（自然乾燥式）で味わいや香り、甘みが異なるので色々と試してみるのをおすすめします。
イルガチェフェの特徴・生産地
イルガチェフェはしばしばワインに例えられる様に熟成感があり、シトラス系の華やかな香りが特徴です。その独特の味わいや香りはコーヒー栽培に非常に適した立地条件により生み出されます。
イルガチェフェが生産されているイルガチェフェ地区はエチオピア南部のシダモ州の一部です。標高約2000メートルの高地にあり寒暖差が大きいことやコーヒー豆栽培に適したローム（土壌）質の火山灰性土壌であることなどから、コーヒー豆の生育に適した土地となっています。
イルガチェフェは現地の言葉で「湿地とその草」を意味します。この言葉通り豊富な水資源に恵まれていることも特徴のひとつで、イルガチェフェ地区の年間降雨量は1500mmから2500mmと言われています。
その為、イルガチェフェ地区ではその水資源を活かしてウォッシュト（水洗式）で精製することが可能なのです。ウォッシュト（水洗式）は収穫したコーヒーチェリーを水路などに入れ、水に浮いた不純物やコーヒーチェリーの果肉を除去した後、発酵槽に漬けさらに内果皮を除去していく方法です。この一連の精製方法には潤沢な水資源が欠かすことができません。
もちろんエチオピアでは伝統的なナチュラル（自然乾燥式）の精製方法を取る農園も数多くあります。ナチュラル（自然乾燥式）はコーヒーチェリーを天日で乾かして、外皮や果肉をはがしやすくしてから脱穀する精製方法です。コーヒーの味わいが濃くなるのが特徴で、ナチュラルではイルガチェフェ本来のフルーティーなモカフレーバーが引き立ちます。
また、エチオピアのコーヒー豆は欠点豆の少なさからグレード分けをしていますが、その水準が極めて高く、他国とグレードの基準値を比べてみると一目瞭然です。エチオピアのグレード分けにおいて最上級であるG1は300g中3個以下とされ、G1が適用されるのはイルガチェフェとシダモのごく一部です。
例えばインドネシアでは最上級であるG1が欠点豆300g中0～11個に対して、エチオピアではG1が欠点豆300g中0～3個という異例の少なさなのです。このように高水準のウォッシュト（水洗式）とナチュラル（自然乾燥式）を同時に味わえるのもイルガチェフェの大きな特徴です。
イルガチェフェの味・香り
イルガチェフェはフルーティーなモカフレーバーを持ち、香りと酸味が際立つことから高級な紅茶やワインに例えられることが多く、人によってその味わいを甘いジンジャー、レモンと表現することもあります。苦みが控えめなので、酸味のあるすっきりしたコーヒーがお好きな方におすすめです。
また、一口に「イルガチェフェ」と言っても焙煎度合いや豆の産地や農園、豆のグレード、生産方法などによって風味や香りが異なります。
例えばイルガチェフェ G1 ウォッシュト（水洗式）、イルガチェフェ G3 ナチュラル（自然乾燥式）、イルガチェフェ サンイルガの3つは同じイルガチェフェですが名称通りそれぞれ香りや風味に個性があるのです。
大まかに分けてイルガチェフェ ウォッシュト（水洗式）は繊細でクリアな味わい、ナチュラル（自然乾燥式）は南国系の果実の様な甘味を楽しめます。
また、イルガチェフェのサードウェーブコーヒーらしい酸味を楽しみたいなら浅煎りのものがおすすめです。人によってはその酸味や甘みをクセが強いと感じてしまうかもしれないので、コーヒーらしい飲みやすさを重視するなら中～深煎りのものがいいでしょう。
イルガチェフェのおすすめの淹れ方
イルガチェフェはシトラス系のフレーバーを楽しめますので、浅煎りにしてフレンチプレスで淹れるのがおすすめです。フレンチプレスはコーヒー豆本来の特徴が出やすく、イルガチェフェの持つ華やかな香りと相性が良いのです。スペシャルティコーヒーらしいフルーティーなフレーバーに抽出中とても癒されますよ。
ペーパードリップやサイフォンでも同様に香りを楽しめますので、お好みの抽出方法をお選びください。
イルガチェフェ（エチオピアコーヒー）情報まとめ
最高峰のコーヒー豆が揃うエチオピアの人気銘柄「イルガチェフェ」は、現地の人たちのこだわりのつまったコーヒー豆です。「イルガチェフェ」は独特のフルーティーな香りと甘味、ワインの様な熟成感あるコクをお楽しみいただけます。
ウォッシュト（水洗式）とナチュラル（自然乾燥式）で味わいや香り、甘みが異なるので色々と試してみるのをおすすめします。
