コーヒー大国であるインドネシアは13,466もの島々から形成されています。その為、多くのコーヒーの銘柄が存在する魅力的な国です。

その中でも、マンデリンやトラジャコーヒーは人気も品質も高いことで有名ですが、もう一つ忘れてはいけないコーヒーが、「コピ・ルアク」「ジャコウネココーヒー」と呼ばれるコーヒーです。(この二つは同一のコーヒーなので、本文では「コピ・ルアク」と統一します。)

このコピ・ルアクは、今や世界的に注目を浴びている珍しいコーヒーで、世界で最も高価なコーヒーとしても有名です。

どのような理由で注目を浴びているか、なぜそんなに高価なのか、とても気になりますよね。

そこで今回は、この「コピ・ルアク」についてご紹介していきたいと思います。

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コピ・ルアクとは?

コピ・ルアクとはどのようなコーヒーなのでしょうか?早速ご紹介していきましょう。

コピ・ルアクの特徴・生産地

コピ・ルアクは、インドネシアのスマトラ島、ジャワ島、スラウェシ島、バリ島などで生産されているコーヒーです。

コピ・ルアクの意味は、「コピ」はコーヒー、「ルアク」はジャコウネコという意味で、「ジャコウネコのコーヒー」となります。なんとも不思議な名前ですよね。

そして驚くことに、1杯の値段が8,000円になることもある、世界で一番高価な最高級コーヒーなんです。なぜこんなに高いのかというと、品質はもちろんですが、希少価値の高さが一番の理由とされています。

なぜそんなに希少価値が高くて高価なのでしょうか?理由を聞いたら納得せずにはいられなくなるでしょう。

なんと、このインドネシアの最高級コーヒー豆「コピ・ルアク」は、ジャコウネコの排泄物から採取されたコーヒー豆なんです。このジャコウネコは体長、60~100cm程度の草食性動物で、見た目が猫というよりイタチに似ている為、「イタチコーヒー」と呼ばれて流通していたこともありました。

ジャコウネコは、完全に成熟した品質の高いコーヒー豆だけを好んで食べる特性があります。つまり、コピ・ルアクの原材料となるコーヒー豆は、最高級なものだけなのです。

これらのジャコウネコに食べられたコーヒー豆は、果肉は消化されますが、種は消化されずにそのまま便と一緒に排泄されます。見た目は、まるでピーナッツのようです。

さて、ここで気になるのが、この排泄されたコーヒー豆、臭いは大丈夫なのかという点です。

しかし、心配はいりません。ジャコウネコは、果物やコーヒー豆を主食として食べているので、排泄された未消化の状態のコーヒー豆の種は全く臭くないんです。

これらのコーヒー豆を排出物の中から採取し、これを水で十分に洗い、1つ1つ手作業で丁寧に皮むきをしていきます。その後、数日間天日干しにして乾燥させます。この時のコーヒー豆の水分は11%が基準とされています。そして最後に丁寧に焙煎されて出来上がったものがコピ・ルアクです。

コピ・ルアクは、ジャコウネコの腸内の消化酵素や腸内細菌による発酵により、他のコーヒーにはない独特の風味と香りを持っているのが最大の特徴です。ジャコウネコの腸を通っているために、カフェインの含有量が非常に少なく、一般的なコーヒーの半分程度です。また苦みや酸味もほとんどないので、豆のまま食べることもできます。

このコピ・ルアク、1匹のジャコウネコから1日に採取できる量は、約3gだけなんです。コーヒー1杯淹れるためには、最低でも10gのコーヒー豆が必要なことから、コピ・ルアクがこれだけ希少価値が高く、世界で一番高価なコーヒーであることが納得できます。

また、コピ・ルアクは様々な分類方法により差別化されているため、種類も多くあります。

まず、野生のジャコウネコか家畜化されたジャコウネコかで分類されます。これについては、圧倒的に野生のジャコウネコから採れたものの品質が高いです。

次に、どの種類のコーヒー豆を食べたかによっても3つに分類されます。これは、アラビカ種、ロブスタ種、ピーベリーの3つです。これについては好みが分かれることが多いです。

しかし、なぜコピ・ルアクは誕生したのでしょうか?とても不思議ですよね。これには、歴史的な背景が大きく係わっているのです。

かつて、インドネシアはオランダの植民地とされており、原住民はオランダ人の支配の下、コーヒー農園で奴隷として働かされていました。もちろん生産されたコーヒーは全てオランダ人のもので、インドネシア人が飲むことは許されませんでした。その為、インドネシア人は仕方なく、ジャコウネコの排泄物からコーヒー豆を取り出して飲んでみたのが始まりなのです。

その結果、臭いもなく、味も香りも良いことから、コピ・ルアクは誕生したのです。

コピ・ルアクの味・香り

コピ・ルアクは、優しい甘みと土のような野生味がほのかに感じられ、バニラや果実のような香りとナッツのような香りがするのが特徴です。さっぱりとしているのに、後味に深いコクを感じることができます。

スッキリと飲みやすいため、コーヒーが苦手な人にも人気があります。他のコーヒーにはない独特の味と香りを持っているので癖になります。

コピ・ルアクのおすすめの淹れ方

今までお話ししてきたように、コピ・ルアクは非常に希少価値が高く、高価なコーヒーです。その為、せっかく飲むなら完璧な方法で飲みたいですよね。

一番のおすすめの飲み方は、やはりインドネシアコーヒー独特の飲み方をおすすめです。

コピ・ルアクは深煎りにすると独特の香りが消えてしまうので、浅煎りがおすすめです。また、豆は極細挽きにします。

このコーヒーを小さじ山盛り1杯程度カップに直接入れます。次に、お湯を注いでからスプーンでよくかき混ぜ、最後に、小さなお皿などで、コーヒーを入れたカップに蓋をして待ちます。コーヒー粉が下に沈むのを待って、上澄みのコーヒーをすするように飲みます。

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コピ・ルアク(インドネシアコーヒー)情報まとめ

今回はインドネシアのコピ・ルアクについてご紹介しました。

コピ・ルアクがこんなにも希少価値が高く、世界一高価なコーヒーである理由をお分かりいただけたことでしょう。

もしも、コピ・ルアクに出会うことがあったら、その機会を逃さないでくださいね。最高の淹れ方で至福の時間を過ごしてください。

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