コーヒー生産量が世界第4位のインドネシアには、世界中に人気のコーヒー銘柄が数多くあります。
インドネシアでは、一般的にロブスタ種の栽培が多いのですが、アラビカ種も10%ほど栽培されています。そして、インドネシアのアラビカ種の最高峰ともいえるコーヒーが「幻のコーヒー」とも呼ばれる「トラジャコーヒー」なのです。
かつては、オランダ王国御用達のコーヒーにも指定されていた、伝統のあるコーヒーでもあります。
今回は、このトラジャコーヒーについてご紹介していきたいと思います。
トラジャコーヒーとは?
トラジャコーヒーとはどのようなコーヒーなのでしょうか?早速ご紹介していきたいと思います。
トラジャコーヒーの特徴・生産地
トラジャコーヒーの生産地は、赤道直下にあるスラウェシ島中部のトラジャ地方で、標高が1,000~1,800mの山岳地帯に位置します。
昼間は一日中強い日差しが照り付け、昼夜の温度差が15度以上もある上、年間降水量が3,000mm以上にもなることから、アラビカ種の栽培にとても適した地域です。その為、コーヒー豆も大粒に成長します。
栽培方法は、今も昔ながらの農法を守り続けて行われています。
無農薬栽培で、収穫の際は赤色に完熟した実だけを一粒一粒丁寧に手作業で摘み取ります。更には、脱穀やふるい分けもハンドピックで行い、袋詰めして出荷しています。
このように丁寧に収穫されたトラジャコーヒーは、スラウェシ島にある港「マカッサル港」から世界各地へ輸出されていきます。
トラジャコーヒーの等級はインドネシアの基準により評価されており、300g中の欠点豆の数が少ないものから順に、「G1」「G2」「G3」「G4」「G5」と格付けされています。
このトラジャコーヒーも順風満帆な歴史を辿ってきたわけではありません。
17世紀から始まったトラジャコーヒーの栽培はオランダの支配の下に順調に進んでいきました。しかし、20世紀の第二次世界大戦により戦禍に巻き込まれていきました。
その結果、コーヒー農園は荒れ果ててしまい、トラジャコーヒーが市場に出回ることはなくなり、「幻のコーヒー」と呼ばれる時代がありました。
しかしその後1970年代に、日本企業の「キーコーヒー」の援助により、再びトラジャコーヒーの栽培が開始され、市場に出回るようになりました。このコーヒーは「トアルコトラジャコーヒー」と呼ばれます。「トアルコ」とはキーコーヒーの登録商標で、「トラジャ地方で栽培されたアラビカ種のコーヒー」の意味を持ちます。
トラジャコーヒーは生産が難しく、今も生産量が少ないのが現状です。しかし、品質が高くて人気もあるので、現在も「幻のコーヒー」と呼ばれ続けています。
トラジャコーヒーの味・香り
トラジャコーヒーは、優しい酸味の後にくるコクのあるほのかな苦みと、豊かな甘みが特徴です。酸味、苦み、コク、甘みのバランスがよくとれたコーヒーです。
香りは高く、トラジャコーヒー独特の芳醇なクリーミーな香りがいつまでも残るのが特徴的です。
トラジャコーヒーのおすすめの淹れ方
トラジャコーヒーは、中煎りから深煎り程度にしっかりと焙煎するのがおすすめです。トラジャコーヒーの独特の苦みと芳醇な香りが存分に楽しめます。
挽き方は、中挽きがおすすめです。
ストレートがおすすめですが、クリームとの相性も良いので、ミルクやクリームを入れて飲んでも楽しめます。
トラジャコーヒー(インドネシアコーヒー)情報まとめ
今回は、インドネシアのトラジャコーヒーについてご紹介しました。
「幻のコーヒー」とも呼ばれるトラジャコーヒーは、困難な歴史を辿りここまでの地位を獲得した、最高級コーヒーです。
他のコーヒーにはない、幻のコーヒーの味と香りを是非楽しんでいただきたいと思います。