子どもが安全においしくコーヒーを飲めるのは何歳から?
Pezibear / Pixabay

最近子どもが、
コーヒーを飲んでいる大人の姿を見て、
「コーヒー飲みたい!」と言うようになったのだけど 、
子どもにコーヒーって何歳から飲ませていいの?

という悩みや疑問を抱えているお母さん達が、
結構いらっしゃると思います。

大人なら当たり前のように飲んでいるコーヒー 、
子どもの場合は一体、
何歳ごろから飲んでも問題ないのでしょうか?

そもそも、なぜ子どもに、
コーヒーを飲ませては良くないと言われているのでしょうか?

ここでは、コーヒーを飲んだ時に
脳の中で何が起きているのか?

そして、
その現象は大人と子供でどう違うのか?

更に、子どもにコーヒーを飲ませた場合、
どのような影響を与えてしまうのか?といった、
コーヒーを飲んだ時の、
「脳」と「カフェイン」と「子供の成長」の関係を解説していきます。

そして最終的には
・コーヒーを子供に飲ませる年齢の基準
・子どもの年齢に合った適切なコーヒーの飲み方
がきちんと分かるので、もう悩む事なく、
年齢にあった適切な方法で、
子どもにコーヒーを飲ませてあげる事ができるようになるでしょう。

 

 

1. 子どもにとって良くないカフェイン3つの影響

コーヒー成分で有名なのはカフェインです。

カフェインには、沢山の影響・効果を
私たちの体内で引き起こす事が分かっています。

その中でも、
子どもにとって良くないと考えられる
代表的な効果を3つ説明していきます。

①中枢神経を刺激する→ハイテンションになる
まずカフェインは、
中枢神経を刺激する効果があります。

中枢神経とは簡単に説明すると、
「脳」と「脊髄(せきずい)」から成り立っていて、
脳から脊髄を通して全身に指令を送る、
神経系統の中心的働きをしています。

コーヒーを飲む事で、カフェインが 中枢神経を刺激するので、
私たちは「興奮状態」「ハイテンション」
といった状態になりやすくなります。

②眠気を感じなくなる→眠れない
次にカフェインは眠気覚まし効果があります。

夜に飲んでしまうと、カフェイン効果で、
就寝時刻になっても眠気がおきず 深夜になっても
なかなか眠れない場合があります。

③利尿作用がある→夜中のトイレが近くなる

最後にカフェインには利尿作用があります。

体の中に溜まった毒素を尿と一緒に体の外へ排出してくれるので、
利尿作用がある事は良い事なのですが、
夜コーヒーを飲む事で 夜中、寝ている時に利尿作用が起きてしまい、
トイレが近くなり安眠妨害となったり、寝不足状態になりやすくなります。

このように、コーヒーの中のカフェインには、
・ハイテンション
・眠れなくなる
・トイレが近くなる
といった現象を引き起こすのですが、
ではなぜ、この3つの影響が 子どもにとって良くないのでしょうか?

そこには子どもの成長を助ける
「成長ホルモン」との関係に問題があるようです。

 

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2. 子供の「成長ホルモン」と「カフェイン」の関係

よく昔から、
「寝る子は育つ!」と言いますが、
あながちウソではありません。

子どもは大人と違って、まだ成長過程の段階であり、
その成長を助けているのが 成長ホルモンです。

成長期の子どもにおける成長ホルモンの役割は、
・身長を伸ばす
・バストを作る など、直接的な働きもあります。

重要なのは、
成長ホルモンが寝ているときに 分泌されるという点です。

更に重要なことは、
『成長ホルモンは眠りはじめ3時間』に分泌されます。

つまり眠り始めてからの、
最初の3時間にどれだけ深く眠れるかが重要なポイントとなります。

最初の3時間が浅い眠りになってしまうと、
成長ホルモンの分泌量も減りますし、そもそも眠れなかったら、
成長ホルモンが分泌されなくなってしまいます。

よって、もし子どもに コーヒーを飲ませた場合、
コーヒーのカフェインの影響で、
 ・ハイテンションになる→眠れない  
・眠気が起きない→眠れない  
・利尿作用がある→トイレが近くなる

といった現象を引き起こし、なかなか眠れなくなっています。

その結果、
成長ホルモンが分泌を妨げてしまい、
成長過程の子どもにとっては、とても悪影響となってしまうのです。

ここまでで、
コーヒーを成長過程の子どもに 飲ませると良くない理由が
理解できたのではないでしょうか?

しかしなぜ、
子どもと同じようにカフェインの影響を受けているはずの大人は
コーヒーを夜飲んでも 問題なく眠れてしまう人が大勢 いるのでしょうか?

ここからは、
大人になって カフェインが効かなくなるまでの流れを 、
「脳」と「カフェイン」の関係で解説していきます。
 

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3. 「脳」と「カフェイン」の関係

 

3-1. 眠気を誘発するアデノシンとは?

大人になると、
どうしてカフェインが効かなくなっていくのかを理解するために、
まず「アデノシン」について説明していきます。

アデノシンとは?

アデノシンとは簡単に説明すると、
脳内で発生する 「眠気」を誘発する化合物です。

私たちが起きている時は 脳の神経は興奮している状態です。

しかし、
この興奮状態をアデノシンが監視しています。

そしてこの興奮状態が続かないように、
アデノシンの分泌量が一定レベルに達した時、
「眠気」を促す仕組みになっています。

この流れを簡単に見てみましょう。

普段人が起きている時の脳の流れ

① 脳の神経は 興奮している状態
② アデノシンが分泌される
③ アデノシンが一定レベル に達する

⇒ アデノシン効果で眠くなる

 

次に、コーヒーを飲むと、
カフェイン効果で眠気が起きない仕組みになっています。

この流れも簡単に見ていきましょう。

◆人がコーヒーを飲んだ時の脳の流れ

①コーヒー カフェインを 摂取する
② 脳内の アデノシンと カフェインが 結びつく
③ カフェインが アデノシンの 眠気効果に ブレーキをかける

⇒ カフェイン効果で眠くならない

 

 

3-2. カフェインが効かなくなる耐性とは?

耐性とは?

①環境条件の変化に耐えうる生物の性質。耐熱性・耐寒性など。
②薬物の反復使用によって薬効が低下する現象。
(参照元:「コトバンク」)

つまり、
大人になってコーヒーを飲み続けている内に、カフェインに体が慣れてしまい、
その効果が出なかったり低下したりする現象の事だと思ってください。|

大人になって耐性ができあがり、
カフェインの眠気覚まし効果が効かなくなる仕組みになっています。

この流れもまた簡単な図で見てみましょう。

 

◆耐性が起きている状態で人がコーヒーを飲んだ時の脳の流れ

① コーヒー カフェインを 摂取する
② 脳内で アデノシンと カフェインが 結びつく
③ カフェインが アデノシンの 眠気効果に

ブレーキを かける

④ アデノシンが分泌量を更に増やして

眠気効果を 発揮させようとする

⇒ 「耐性」が起きて眠くなる (=カフェインが効かなくなる)

このように大人は、
コーヒーカフェインに耐性ができ、カフェインが効かなくなるので
夜に飲んでも眠れる人が多いのです。

しかし、耐性ができていない子供は、
カフェインの影響をとても受けやすい状態です。

特に、成長ホルモンが分泌される大事な睡眠時に
カフェインの影響で眠れなくなってしまうため、
子どもにコーヒーを飲ませては良くない と言われているのです。

では正式には、
子どもは何歳からコーヒーを飲んでも大丈夫なのでしょうか?

また、年齢ごとに適切な飲ませ方は あるのでしょうか?
 

4. 子ども何歳からコーヒーを飲んでよいのか?

以下内容は、UCCのQ&Aを参照させて頂きます。

個人差、状況によって違いますが、
一つのめどとして次のように言えます。12~15歳以上で大人なみに
体重が50kgを超えていたら
大人と同じように、コーヒーを飲んでもかまいません。

10歳以下の子供には、基本的に控えた方 がよいかと思います。

しかし、
6
歳ぐらいから上の子でしたら
ミルクで1/4程度に薄めれば大丈夫でしょう。
参照:(社)全日本コーヒー協会「珈琲と健康」

 

また、
NHKの「あさイチ」という番組で、野田先生という専門家が
「実年齢というよりも体のサイズを考えることがだいじだ。」
と話していました。

個人差はあるものの、
一般的には体重50キロくらいになったら、
コーヒーを一日一杯飲んでも大丈夫だろうということです。

体重面で見ると、中学生や高校生くらいから、
コーヒーを飲んでも大丈夫な年齢 ということになりそうですね。
 

5. 子どもとコーヒーの適切な関係5つのポイント!

ポイント①
10歳以下の子どもは基本控える

ポイント②
ただし6歳以上の子どもは
ミルクで1/4程度薄めたコーヒー牛乳なら大丈夫

ポイント③
実年齢より体のサイズで考える

ポイント④
体重が50キロくらいになってくる
中学生~高校生くらいから飲んでも大丈夫

ポイント⑤
体重が50キロくらいの中学生~高校生で
一日一杯飲んでも大丈夫
(注意:全て個人差による)

 

 

6. 最後に・・・。

コーヒーとカフェインと子供の関係が よくお分かり頂けたでしょうか?

カフェインの影響で眠れなくなる事は、
子どもだけでなく大人にも良くありません。

しかし、
大人はカフェインに対して耐性ができており、
カフェインの影響を受けず コーヒーを飲んでも夜ねむれる人は沢山います。

それに対し、成長過程の子供は耐性ができてないので、
カフェインの影響をしっかり受けてしまい、
眠れなくなることで成長ホルモンの分泌の妨げとなり、
大事な成長の妨げになってしまうのです。

ただし、カフェインは、
コーヒーだけに含まれているものではなく
子どもが日常口にしたくなるチョコレートやココア
そして、コーラにも含まれています。

こういった隠れカフェインの存在も、
意識をしておくと良いでしょう。

コーヒー自体に子ども成長を阻害する成分は 含まれていません。

子どもの成長過程に合った、適切なコーヒーの飲み方であれば、
子どもでも楽しく美味しく、コーヒーと関わっていく事ができるでしょう。

 

 

 

 


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