
世界中の人から愛されているコーヒー。
女性の中には、「ずっと紅茶党だった私もコーヒーは美容と健康に良いと聞いてだんだんとコーヒーを飲む回数が増えていきました。」という方も大勢いるようです。
「昔は飲むと苦く感じて苦手だったコーヒーも美容と健康のためと思い、意識して飲み続けるようになるといつの間にか、だんだんと美味しく感じるようになりました。」という話をたくさん聞きます。
今ではすっかりコーヒーにハマっています、という人はかなり多いようです。
コーヒーを飲み始めると…
コーヒーは本当に体に良いの?
コーヒーは一日何杯飲めば適量なの?
コーヒーの飲みすぎは返って病気になるのでは?
そんな疑問が湧くのではないでしょうか。
確かに、そもそも本当にコーヒーは健康に良いのでしょうか?
そして、その根拠は何なのでしょうか?
コーヒーと健康の関係や、ついつい飲みすぎてしまう人にとっては一日に飲む量などは気になりますよね?
そこで今回はこの点を踏まえながらコーヒーと健康、そして一日に飲む適量についても詳しくお伝えしていきます。
目次
- 初めてコーヒーを記述したのはアラビアの医師だった?
- コーヒーに含まれるカフェインってどんな成分?
- 結局コーヒーは健康に良いの?悪いの?
- 人が幸せな気持ちになるカフェイン効果は一日何杯が適量なのか?
- まとめ
1. 初めてコーヒーを記述したのはアラビアの医師だった?
コーヒーの誕生にはたくさんの興味深い伝説があります。
その中でも有力と言われている2つの伝説をご紹介していきます。
まずは、「コーヒー」という文字の記録を初めてしたのは900年代のアラビアの医師によるものだった…という伝説です。
アラビアの医師が書いた当時の文献によると「コーヒーは利尿や消化、強心に効果がある」という事を示す細かい臨床結果が書き記されているそうです。
そしてこの文献はコーヒーに関する最も古い貴重な文献と言われています。
遥か昔の900年の頃からコーヒーは「薬」として医師に認識されていた事になります。
そしてコーヒー伝説にはもう一つ有名なものがあります。
年代不詳と言われていたり、6世紀ごろの話だよと言われていたり結局ははっきり分かっていないそうですが、もう一つの伝説はエチオピアのヤギ飼いの少年の話です。
名前をカルディと言います。
伝説によるとカルディはある日、自分が飼っているヤギが牧草地に生えている木の実を食べるといつも興奮していたので不思議に思って近くの修道院の院長に相談してみたそうです。
すると院長も不思議に思い自分の身を以て試してみようと実際にその実を食べてみると確かに気持ちが上昇し気分が爽快になりました。
この事に驚いた院長は他の修道層にも与えてみると、その効果はてきめんで夜の修行でも眠気が吹き飛んだそうです。
この事は「眠らない修道院」として国中に広まりその後は、この不思議な木の実を多くの人が競って求めるようになったという伝説です。
この「不思議な木の実」とは、コーヒーの木の実の中にある種子の事です。
この種子を精選したものがグリーンビーンズとも言われる「生豆」です。
生豆を加熱して黒褐色になったものを「焙煎豆」と呼びます。
「コーヒー豆」とは生豆と焙煎豆の両方を指します。
ちなみに、この二つの伝説に登場するコーヒー豆は焙煎豆ではなく生豆の事ですね。
煎って使用されるようになったのは15世紀からです。
二つの有名な伝説からも分かるようにコーヒーは昔から「薬」として認識され、その存在が世界中に広がっていったようです。昔からコーヒーは注目されていたのですね。
薬として認識され、世界中に広がっていったのは、やはりコーヒー成分の中の「カフェイン」の効果が強かったからでしょう。
ではカフェインとはどんな成分で、私たちにどんな効果を与えるのでしょうか?
ここで、カフェインについてもっと具体的に掘り下げていきます。
2. コーヒーに含まれるカフェインってどんな成分?
カフェインはコーヒーに含まれている最も有名で最も特徴的な成分であり、アルカロイドという化合物の一種です。アルカロイドという名前を初めて聞いた人のために、アルカロイドについてもう少し詳しくお伝えします。
アルカロイドとは、窒素を含んだアルカリ性を含む有機化合物の一群です。
主に植物体に含まれているものが多いのですが、動物に対しては神経毒として作用するものが多いようです。
ただし薬として使われる事もあるので、アルカロイドは「毒と薬の宝庫」と言われていたりするそうです。
毒にも薬にもなるアルカロイドの一種が「カフェイン」という事ですね。
だからでしょうか?
そもそもコーヒーを飲む目的は薬として始まったと言われています。
その覚醒作用は古来より注目をされていてしっかりと私たちの先祖は利用してきました。
コーヒーは覚醒作用や利尿作用があると言われ、薬としてはるか昔から飲まれ続けてきたのです。
ここでコーヒーの生豆を煎った焙煎豆の時の成分を見てみましょう。
一般的には下表のようになると言われています。
■焙煎豆に含まれる成分
「コーヒー焙煎の科学と技術」
(中林敏郎他共署・弘学出版発行)より
最近ではこのカフェインには「自律神経の働きを高める」働きがあったり、「集中力を高める」働きがあったりする事がわかってきています。
コーヒーを飲みながら仕事をしている人を多く見かけますが、カフェイン成分の働きで集中力が高まりますので、作業能力を向上させ仕事がはかどる効果がありそうです。
ですから、人は自然と仕事中にコーヒーを飲みたくなり、そして何杯も飲み続ける人が多いのかもしれません。
次に、飲料別のカフェイン量を示したものが下の表になります。
コーヒーが他の飲み物よりも圧倒的にカフェイン量が多い事がよく分かります。
■飲料別カフェイン量
(100mlあたり)
コーヒー 約60mg
紅茶 約30mg
煎茶 約20mg
烏龍茶 約20mg
科学技術庁資源調査会
五訂日本食品標準成分表参考
3. 結局コーヒーは健康に良いの?悪いの?
私が昔、良く聞いた話では「コーヒーは飲みすぎると健康に悪い!」と言われていました。
それが最近では「コーヒーは体に良いですよ」と聞くようになりました。
一体、コーヒーは体に良いのでしょうか?悪いのでしょうか?
コーヒーの健康説で興味深いのは「健康に良いよ!」とする研究結果と「いいえ、健康に
悪いし死亡率を高めますよ!」という研究結果が出ているという事です。
一体どうして真逆の研究結果が出てしまったのでしょうか?
確かに以前は、コーヒーは体に悪いという説で色々な発表がされていたようですが近年の最新の研究で、コーヒーは健康に良い事が次々に明らかになってきたからです。
最新研究による発表で代表的な内容をお伝えすると
・コーヒーを飲む習慣のある人はガンにかかりにくい
・肝臓に良い
・脂肪燃焼効果がある
などがあります。
しかし、それと同時に
・子供は飲んではいけない
・妊婦は飲まない方が良い
という説も未だに根強くあるようです。
東京薬科大学名誉教授で、コーヒー研究家の岡希太郎さんは「毎日コーヒーを飲みなさい。」(集英社)、マンガ「珈琲一杯の元気」(医薬経済社)などコーヒーと健康に関する著書を多数手掛けていて、岡希太郎さんによると「コーヒーはくすりだ」とおっしゃっています。
そして、近年の「コーヒーは体に良い」という説が定着したのは、2015年5月に東京大学と国立がん研究センターによる発表で、「緑茶やコーヒーを飲む習慣のある人は、心臓病や脳卒中などによる死亡リスクが低下する」という疫学調査がテレビのマスメディアでも放送され、新聞にも掲載され、多くの人に広く伝わった事も一つの原因になっているようです。
結果として、近年は「コーヒーは体に良い」という説の方が有力説として定着しました。
とは言っても、コーヒーを飲む際に注意点などはないのでしょうか?
何事もそうですが、コーヒーも飲みすぎは危険なのではないでしょうか?
そこで、コーヒーは一日何杯飲むのが適量なのか調べていきます。
4. 人を幸せにするカフェイン効果はコーヒーを一日何杯飲むと得られるの?
コーヒーを一日何杯飲むのが良いのか?という事は、他の言い方をするとカフェインを一日何杯まで接種して良いのか?という事にもなると思います。
そこで欧州食品安全機関(ESFA)が健康な大人が摂取しても安全とみなしたカフェインの量を表で以下にまとめました。
1日あたりの安全摂取量 | 体重1キログラムあたり | |
小児・青年 |
1日90ミリグラムまで (体重30キロの場合で計算) |
|
大人 |
1日400ミリグラムまで |
1日5.7mg/kgまで |
妊婦・授乳婦 | 1日200ミリグラムまで |
1日3mg/kgまで |
またハーバード大学の公衆衛生学部の研究チームが発表した内容によると、コーヒーを毎日
2、3杯飲む習慣のある人は、なんと自殺のリスクが50%減少するという結果が出たそうです。
また、ドイツの研究チームが行った調査によるとコーヒーには人を幸せにする効果があり、そのカフェインの量が一日2~3杯だそうです。うつ病も抑制できると発表しています。
いろいろなところで研究・調査されているコーヒーですが、一日の摂取量は成人で2~3杯が適量という内容が多いという事が分かりました。
5. まとめ
古代から多くの人に注目の的だったコーヒーは薬にも毒にもなる要素を含んでおり、色々な研究発表がされてきました。
現在も健康になるとか健康に悪いとか両方の面で言われていますが、コーヒーに含まれているカフェインを調べてみるとやはり薬としての沢山の魅力的な効果があるのは否めない事実のようです。
コーヒーを飲む時は、コーヒーが健康に良い効果をもたらすよう正しい量で飲む事が大事で
成人した大人なら大体一日の目安として2~3杯を飲んでいると健康に良いようですが、そればかりでなく、うつ病の人ならカフェイン成分で抑制効果も期待できそうです。
また、2015年の東京大学と国立がん研究センターによる研究で「コーヒーを1日3~4杯飲むと、心臓病死の危険性が4割減る」と発表しています。
さまざまな研究発表をまとめると、カフェイン成分の効果で心臓病死のリスクを4割減らし、うつ病も抑制し、そして毎日を幸せな気分で過ごすには、コーヒーを一日3杯程度、毎日の習慣として飲んでいると良いという事になります。
飲みすぎに注意しながら、コーヒー成分の魅力を最大限に活用し、毎日おいしく頂きたいですね。
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