
ここでは、
「デトックス」という言葉が一番初めに使われたある研究や、
一人の看護師による「コーヒーエネマ」誕生エピソードなど、
戦時中のアメリカやドイツで起こった興味深い時代背景を紹介していきながら、
コーヒーによるデトックスはコーヒーのある3つの成分が
重要な役割を果たしている事を解説していきます。
最後まで読み進めて頂くと、
コーヒーによるデトックスの知識が身に付き
自分に合ったデトックス法も見つかるかもしれません。
- 目次
1. デトックスとは?
1-1. デトックスが最初に使われた意外な研究
1-2. 現在のデトックスの使われ方
1-3. 体内に蓄積された毒素とは?
2. コーヒーエネマでデトックス
2-1. コーヒーエネマとは?
2-2. コーヒーエネマVS 便秘薬
2-3. なぜコーヒーエネマでデトックスができるのか?
2-4. コーヒー以外のカフェインではダメなのか?
2-5. なぜコーヒーを飲むだけではダメなのか?
2-6. コーヒーエネマのやり方
2-7. コーヒーエネマのデメリット
3. コーヒー利尿作用によるデトックス
3-1. カフェイン&テオブロミン
3-2. コーヒー利尿作用のデメリット
4. たんぽぽコーヒー、玄米コーヒーとは?
5. まとめ
1. デトックスとは?
1-1. デトックスが最初に使われた意外な研究
1960年代~70年代のアメリカでは、
化学兵器による後遺症の治療研究が行われていました。
そこで「デトックス」という言葉が使われたのが、
最初と言われています。
戦争で負傷した兵士の身体を「デトックス」する
という発想だったのでしょう。
デトックスは英語で「detox」と書きますが、
「ドラッグやアルコール中毒を治すこと」を意味する、
detoxification(ディトクシフィケーション)の短縮形で、
「解毒」という意味です。
1-2. 現在のデトックスの使われ方
その後、一般の人々も
体内で毒物の悪影響を受ける事がわかり、
現在は
「体の中に溜まった毒素や老廃物を取り除く」
という意味で多くの人に使われるようになりました。
さらに、セレブ層や著名人が、
美容法の一つとして取り入れた事からブームとなり、
一気に広がったと言われています。
また、よくデトックスがダイエットと関連付けられて言われるのは、
体内毒素の多くが脂肪に蓄積されるためです。
つまり、「デトックス=脂肪を取り除くこと」
にもつながるため、
ダイエットと関連付けて言われる事も多いのです。
1-3. 体内に蓄積された毒素とは?
日々の生活の中で、「食事」や「呼吸」から、
何気なく体内へ取り込んでしまっている有害物質の事です。
主な3つを説明していきます。
①有害ミネラル
水銀やヒ素など、魚や海藻に含まれているので
日本人はどうしても溜まりやすいと言われています。
②有害化学物質
排気ガス、たばこの煙、農薬などが挙げられます。
③体内から発生する毒素
・大腸内にある悪玉菌
・腸内に便が溜まっていく宿便
・疲れを引き起こす疲労物質
以上のように、
私たちの体内には知らず知らずの内に毒素が蓄積されています。
そして、これらの毒素の約8割は、
便から体の外へ排出されています。
そのため、便秘がちの人は早めの改善が必要です。
2. コーヒーエネマでデトックス
2-1. コーヒーエネマとは?
「エネマ」とは「浣腸」を意味する
医療業界の用語です。
浣腸を表す英語「enema」が由来となっています。
「コーヒーエネマ」は1930年代に
ドイツ人のマックス・ゲルソン医師により開発された、「ゲルソン療法」の一部で、
コーヒーを大腸に直接注入して行う、コーヒー浣腸のことです。
体の中で毒素を作り出す最も大きな器官は、
「大腸」と言われています。
大腸で発生した毒素や老廃物を
より速く、よりスムーズに大腸から排出できるのが、
コーヒーエネマの特徴です。
このマックス・ゲルソン医師は、
ノーベル平和賞を受賞したアルベルト・シュヴァイツァーから、
「医学史上の大天才」と賞賛されています。
2-2. コーヒーエネマVS 便秘薬
コーヒーエネマは、
コーヒーの腸内洗浄とも呼ばれていますが、
その内容は「コーヒーを使った浣腸」です。
浣腸には便秘薬もありますが 薬はすぐに効果がでて良い反面、作用が強く
使い続けると体が薬に慣れていき徐々に効かなくなっていきます。
そのため、より薬の量を増やしたり、
より強い薬にしたりする必要がでてくるなど
最終的に、どんな薬も効かなくなっていく事も起こり得ます。
コーヒーエネマは強い薬ではなく、
コーヒーで大腸を洗浄しながら行う天然浣腸で
体に負担がかかりません。
2-3. なぜコーヒーエネマでデトックスができるのか?
ここで、人によっては新たな疑問点が浮かび上がるかもしれません。
それは、
「なぜコーヒーなのか?」という疑問です。
それは、体内のデトックスを行うには コーヒーに含まれている「カフェイン」が、
重要な役割を果たすからです。
それを示す、ドイツで起こった、
興味深いエピソードを紹介します。
ドイツでは第一次大戦中、傷ついた兵士の回復を促進させるため
「水エネマ」を行っていました。
その時、一人の看護師が、
「コーヒーの覚醒成分が兵士たちの治療に有効なのでは?」 と思い、
医師たちが飲み残したコーヒーを水エネマにこっそり混ぜてみたのが、
コーヒーエネマの始まりだそうです。
その後、水エネマとコーヒーエネマとでは、
コーヒーエネマを受けた兵士の方が傷の治りが早かったそうです。
それを知った医師たちがコーヒーエネマに注目し、
終戦後、ドイツでは医師たちによる
コーヒーエネマの研究が始まりました。
その結果は、
「コーヒーに含まれるカフェインが肝臓の胆官を拡張させ、
肝臓内で処理された毒素が胆管からスムーズに排出され、最終的に便となって体の外へ排泄される」
ということが分かりました。
また、コーヒーエネマの開発者である、
マックス・ゲルソン医師も 「コーヒーエネマは浣腸のためでなく、肝臓を刺激するため」
と言っています。
2-4. コーヒー以外のカフェインではダメなのか?
カフェインにデトックス効果があるのなら、
なぜコーヒーにこだわらなければいけないのでしょうか?
その答えを示す下記のグラフを見てください。
(参考元:「日常生活の中におけるカフェイン摂取 -作用機序と安全性評価-」
の論文資料を元に当サイトでグラフにまとめたもの)
このグラフから分かるようにコーヒーはカフェイン量が、
圧倒的に多い事がわかります。
また、コーヒーに含まれる
「テオフィリン」という成分も器官を広げる作用があり、
カフェインと同じように胆管を広げ、
毒素の排出をスムーズにするダブル効果の作用があります。
2-5. なぜコーヒーを飲むだけではダメなのか?
私たちは口から食べたものを小腸で消化吸収します。
そして、消化しきれなかった食べカスが大腸へ運ばれます。
大腸に運ばれた食べカスは大腸のヒダや壁に停滞し、
一日以上経過してしまうと、腐敗と発酵が進み
毒素を発生していきます。
そこで、コーヒーを直接大腸へ注入することで、
・食べカスが腐敗する前に便として排泄する事がでる
・既に停滞し腐敗してしまっている便を素早く排泄する事ができる
このような理由で、
コーヒーエネマは重要だと考えられているのです。
2-6. コーヒーエネマのやり方
①ぬるま湯のコーヒー液を1200ml用意する
②専用のエネマバックに入れ高い位置にセット
③無理せず肛門へ挿入する
④座ったままや、横になりながらおなかをやさしくマッサージする
⑤トイレで排泄する
(注意:体調によりコーヒー液の量に調整が必要な場合があります。)
2-7. コーヒーエネマのデメリット
・腸内細菌まで流れてしまう
大腸内に存在している善玉菌まで便と一緒に排出してしまう恐れがあります。
・自力排泄力の低下
継続してやり続けると自力で排せつする力が低下する恐れがあると言われています。
以上、ここまでは、
コーヒーエネマを中心にデトックス効果を見てきました。
ここからはコーヒーの利尿作用による
デトックス効果に触れていきます。
3. コーヒー利尿作用によるデトックス
3-1. カフェイン&テオブロミン
「利尿」とは、体内に溜まった老廃物や余分な水分を
尿と一緒に体の外へ排出することをいいます。
この利尿作用がコーヒー成分である
「カフェイン」にあるのです。
また、東京福祉大学・短期大学部の、栗原久教授による
「日常生活の中におけるカフェイン摂取 -作用機序と安全性評価-」という論文の中で、
「テオブロミン:血管径を拡張し、尿量を増加させる。」とあります。
この「テオブロミン」という成分もコーヒーの中に含まれていて、
世界大百貨店で「テオブロミン」を調べてみると、
「テオブロミンの利尿作用はカフェインより強い」と書いてあります。
以上のことから、コーヒーを飲むことで、
「カフェイン」と「テオブロミン」の利尿作用により、
体内の老廃物を体の外へ尿と共に
排出することができる事が分かります。
3-2. コーヒー利尿作用のデメリット
・カルシウム不足になる
カフェインがカルシウムの吸収を妨げるため
カルシウムも一緒に体外へ排出してしまいます。
・トイレに頻繁に行きたくなる
利尿作用により、トイレの回数が増えるため、
特に夜寝る前のコーヒーは、熟睡の妨げになる恐れがあります。
4. たんぽぽコーヒー、玄米コーヒーとは?
よくコーヒーのデトックスというと、
「たんぽぽコーヒー」や「玄米コーヒー」の話が出てくると思いますが、
名前に「コーヒー」と付いていてもコーヒー豆は一切使われていません。
ではなぜ、コーヒーと呼ばれているかというと、
コーヒーのような「見た目」や「香り」、「飲み口」から、
○○コーヒーと呼ばれています。
つまり、ノンカフェインなのに
見た目も香りもまるでコーヒーを飲んでいるかのようなので
「代替えコーヒー」とも呼ばれています。
ただし、実際に飲んだ人の感想はさまざまでしたので、
ここで感想のほんの一部を紹介させていただきます。
(たんぽぽコーヒー感想)
・「にがいだけ、ほんのり甘いもの、飲めやしないものなど商品の質によりかなり差がありました。」
・「たんぽぽの根を丁寧に炒ったものはあずきと同じような風味になりました。」
(玄米コーヒー感想)
・「玄米コーヒーの味は、ウーロン茶の様な風味とも言えるのもありますし
捉え方によっては薄めのスペシャリティコーヒーの味と言えると思います。炒り加減で違います。」
5. まとめ
コーヒーにおけるデトックス作用について、
その効果やデメリットを話してきました。
コーヒーエネマに関しては未だ賛否両論のようです。
確かにデメリットもありますので、
一概に「良い」とは言い切れないかもしれません。
とはいえ、沢山のメリットもあるため、
しっかりメリットとデメリットを認識した上で、
判断されるのが良いでしょう。
また、コーヒーのカフェイン成分や、テオフォリン、テオブロミンには、
それぞれに、排泄作用や、器官の拡張、利尿作用があり、
医師の研究や論文の中でもその働きについて述べられている事を紹介してきました。
それを踏まえた上で、
コーヒーと楽しく付き合っていく事をオススメ致します。
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